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秀吉の面目躍如たる城

季節と時節でつづる戦国おりおり第318回

小田原攻め①

 小田原に行く機会がございまして。
 まず何は無くともやはり小田原城。サクッと訪問させていただきましょう。
 金曜日ということで駐車場も天守閣周辺も空いています。ウィークデー最高。

 

 ただまぁ、戦国時代ブログとしては後世のものを復元した現在の天守閣にはそれほど思い入れはございませんので、早速中へ。
「○○と煙は高いところが好き」
 というわけでは決してありません。当方高所恐怖症です。
 お目当ては最上階からの展望です。

 

 これですね。 
 豪壮な城が出来、小田原城内が丸見えになった時の北条方への心理的圧迫は相当なものだったろうと思います。

 なにしろ、関東では初めての総石垣造りです。しかも、小田原城からは南西に位置していましたから、天気の良い日の朝などは、東から昇る太陽の光を石が反射して小田原城からはキラキラと眩しく見えたこともあったでしょう。秀吉はそこまで計算してこの山を城郭化したのではないでしょうか。4万人の作業員を動員し、わずか三ヶ月足らずで完成させるという驚異の物量能力を見せつけ、完成後はビジュアルで北条方を圧倒した石垣山城は、脂の乗りきった秀吉の面目躍如となった城でした。

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橋場 日月

はしば あきら

はしば・あきら/大阪府出身。古文書などの史料を駆使した独自のアプローチで、新たな史観を浮き彫りにする研究家兼作家。主な著作に『新説桶狭間合戦』(学研)、『地形で読み解く「真田三代」最強の秘密』(朝日新書)、『大判ビジュアル図解 大迫力!写真と絵でわかる日本史』(西東社)など。


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