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早く帰りたければ「トヨタ式」に頼りなさい

知恵を出して働く人になる方法を学べ トヨタ式で早く帰る①

昨今働き方改革がすすめられているものの、現場のビジネスマンからは「早く帰りたいのは山々だが仕事が終わらないよ」という声も聞こえてくる。私たちの仕事がつまずいてしまう理由。そしてそれに対する解決策とは。『トヨタだけが知っている早く帰れる働き方』(文響社)を上梓した桑原晃弥氏に、「トヨタ式」をヒントにご寄稿いただいた。

「働き方改革」で求められる「トヨタ式」

「トヨタ自動車」の名前を知らない人はいないと思いますが、「トヨタ式」と言われてピンとくるのはものづくりに携わっている人か、生産方式に関心のある人だけではないでしょうか。

「トヨタ式」というのは、戦後の復興期、まだ日本が豊かでもなく、車の生産台数も少なかった時代に何とか「いい車を、より早く、より安く」つくることができないかと様々な創意工夫を重ねる中から生まれた「トヨタ生産方式」の略称です。言わば「車のつくり方」ですが、その後、トヨタ自動車の成長に伴って「トヨタ生産方式」の考え方や、「改善」などの仕組みが日本だけでなく世界から注目されるようになり、生産現場以外の間接部門やサービス業などでも活用され始めたことから「生産方式」をとって「トヨタ式」と呼ばれるようになりました。

 そんな「トヨタ式」が「働き方改革」が求められる中で注目を集めています。

 政府主導で「働き方改革」が進められ、結果として残業を規制する会社も増えてきました。しかし、その分、効率的な新しいやり方に変わるわけでもなく、個人の仕事量や求められる結果が大きく変わるわけではありません。仕事量は今まで通り、結果は今まで以上が求められる中、働く時間だけが規制されていく。こんな悩みが聞こえてきます。

「仕事が定時で終わるなんて、夢のまた夢」
「残業はいやだけど、今さら残業禁止って言われてもどうしていいか」

 求められているのは「最小限の時間で最大限の効果」をあげることですが、はたしてそんなことがこれまで「コツコツ」働いてきた「ふつうの人」にできるのでしょうか。

「そんな器用なことができるのなら、ここにいないよ」と言われそうですが、実は「ふつうの人」の生産性を最大まで高めることで、ここまで成長してきたのがトヨタなのです。

 
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桑原 晃弥

くわばら てるや

1956年広島県生まれ。経済・経営ジャーナリスト。慶應義塾大学卒。業界紙記者、不動産会社、採用コンサルタント会社を経て独立。人材採用で実績を積んだ後、トヨタ生産方式の実践と普及で有名なカルマン株式会社の顧問として、『「トヨタ流」自分を伸ばす仕事術』(成美文庫)、『なぜトヨタは人を育てるのがうまいのか』(PHP新書)などの制作を主導した。著書に『スティーブ・ジョブズ名語録』(PHP文庫)、『ウォーレン・バフェット成功の名語録』(PHPビジネス新書)、『伝説の7大投資家』(角川新書)、『トヨタのPDCA+F』(大和出版)など。バフェット関連書籍多数。


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  • 桑原 晃弥
  • 2017.12.22