北海道の近代を開いた最古の鉄道 国鉄手宮線【後編】
ぶらり大人の廃線旅 第23回
■遊歩道になっており、所どころにベンチが
線路は右へ緩くカーブしていくが、遊歩道らしく所どころにベンチなどが設けてあるのが嬉しい。観光客だけでなく市民も散策や犬の散歩など日常的にこの道を歩いているのは、やはり自動車に煩わされない安心感と緑の多い公園的景観、ひいき目で見ればレールの残る廃線の懐かしさなどが相まって人を引きつけている側面もあるだろう。
平成29年(2017)7月に日本経済新聞が「廃線ランキング」を行った。選定にあたっては私も協力した企画だが、フタを開けてみるとこの手宮線が第1位であった。もちろん誰もがすべての廃線を歩いたわけではないのだが、藪こぎが必須だったりする多くの廃線に伍して手宮線が堂々トップの座に就いたのは、ロケーションも良く気軽に歩けるにもかかわらず、本物の線路が残っているからだろう。おまけに終点の手宮には鉄道車両を多く収める小樽市総合博物館が待っているから、これは納得できる。ちなみにこの時のランキングで第2位は高千穂鉄道(宮崎県・日本一高い橋梁がある)、第3位は同和鉱業片上鉄道(岡山県・動態保存を行っている)であった。