北海道の近代を開いた最古の鉄道 国鉄手宮線【後編】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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北海道の近代を開いた最古の鉄道 国鉄手宮線【後編】

ぶらり大人の廃線旅 第23回

■いよいよ手宮の貨物駅跡に

 このあたりから線路がもう1本加わって複線となるが、第二次大戦の頃まではこの複線が南小樽までずっと続いていたわけだ。正面に見える手宮の山がいつの間にかだいぶ近づいている。その中腹まで住宅地が広がっているのは、山がちな港湾都市の特徴である。

手宮貨物駅の手前

小樽市総合博物館

 かつての踏切で道を渡れば転轍機でレールは何本にも分岐し、いよいよ手宮の貨物駅跡に入っていく。ここから先は小樽市総合博物館となっているが、鉄道に特化した博物館として道内外に知名度が高い。ここには北海道の鉄道黎明期を支えた蒸気機関車の「しづか」号などをはじめ、戦後の車両に至るまで国鉄で活躍したいろいろな懐かしい車両が多く見られるのでマニアには嬉しい場所であるが、廃線歩きとしてはその先を詳述する必要もないだろう。帰りは保存運動が実って残された小樽運河に沿って古い建物の案内板を読みながら、小樽駅まで歩いてもそれほど遠くはない。

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今尾 恵介

いまお けいすけ

1959年横浜市生まれ。中学生の頃から国土地理院発行の地形図や時刻表を眺めるのが趣味だった。音楽出版社勤務を経て、1991年にフリーランサーとして独立。旅行ガイドブック等へのイラストマップ作成、地図・旅行関係の雑誌への連載をスタート。以後、地図・鉄道関係の単行本の執筆を精力的に手がける。 膨大な地図資料をもとに、地域の来し方や行く末を読み解き、環境、政治、地方都市のあり方までを考える。(一財)日本地図センター客員研究員、(一財)地図情報センター評議員、日本地図学会「地図と地名」専門部会主査、日野市町名地番整理審議会委員。主著に『日本鉄道旅行地図帳』『日本鉄道旅行歴史地図帳』(いずれも監修/新潮社)『新・鉄道廃線跡を歩く1~5』(編著/JTB)『地形図でたどる鉄道史(東日本編・西日本編)』(JTB)『地図と鉄道省文書で読む私鉄の歩み1~3』『地図で読む昭和の日本』『地図で読む戦争の時代』 『地図で読む世界と日本』(すべて白水社)『地図入門』(講談社選書メチエ)『日本の地名遺産』(講談社+α新書)『鉄道でゆく凸凹地形の旅』(朝日新書)『日本地図のたのしみ』『地図の遊び方』(すべてちくま文庫)『路面電車』(ちくま新書)『地図マニア 空想の旅』(集英社)など多数。


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