織田信成が海外のコーチから指摘された、休むことの大切さ
織田信成さん2月毎日更新 Q13.海外(カナダ)での練習経験は役に立ちましたか?
自分を見つめ直す時間も必要
――17歳から年に何度もカナダを訪れ練習をしてきた織田さんですが、海外での経験から得たものはありましたか?
カナダでの経験は、とても印象に残っています。練習に対する考え方が、日本のそれとはまったく異なりましたから。日本では、とにかく数をこなすことが求められます。何度も繰り返すことで、カラダに覚えさせるという考え方です。それも、すべての動作を一から繰り返しやり続けます。一方海外では、スケジュールがきっちりと組まれていて、ひとつの動作が出来たら次の段階へと進み、繰り返すことはありません。つまり効率性を重視するんです。
――日本式の練習に慣れていると、かなり面食らいますよね。最初、抵抗はなかったですか?
初めて見た時は、「こんなの練習じゃない!」と思いました。反復練習をしない分休みも多かったですし、海外の選手は随分と楽をしているんだなと思いました。でも、ある時海外のコーチから指摘されたんです。休むことはサボることじゃない。カラダをいたわるだけじゃなく、今やっていることを考える時間でもあると。その時、ハッとしました。がむしゃらなだけで満足して、自分とちゃんと向き合えていなかったなって。
――練習に対する考え方が変わったんですね。それから、何か変化はありましたか?
自分を見つめ直すということは取り入れましたが、結局は練習漬けでしたね(苦笑)。休みの日に海外の選手がパーティに出かけるのを余所目に、僕は自室でフィギュアのビデオを見ていましたから。より高い位置を目指すには、やっぱり日本式の反復練習も必要だと思います。それに加えて効率的な練習や、考え方を整理するための休みを取る。そのバランスの取り方が大事なんでしょうね。その考え方を知ることが出来ただけでも、大きな収穫だったと思います。
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