新政府への強い反発から一転、明治政府の要人に 大勢に慕われた榎本武揚
歴史上の人物を四柱推命で鑑定! 第33回 ~榎本武揚~
続いて、十二運星を見ていく。
「死(し)」
神通力があり、ウソが見抜けるスピリチュアルな星。直感力があり、1から新しいものを作れる。
函館戦争で敗北し、その後敵方であった新政府の要職に就いた武揚であるが、戦争で亡くなった志士達のことを生涯にわたって思い続けたという。柳川熊吉、大鳥圭介と協力し、明治8年、函館に「碧血碑(へきけつひ)」を建立し、約800人の旧幕臣の霊を弔った。「碧血」とは、「荘子」の一節から来ており、忠義を貫いて死んだ者の血は、3年経てば宝石の碧玉と化すという伝説にちなんでいる。スピリチュアルな能力があったからだろうか、亡くなった人達を大切にした。
「胎(たい)」
好奇心旺盛な星。変化を好んで飽きっぽく、様々なことに興味を持つ。新規開拓が得意。
先に述べたように、知性の星は持ち合わせていなかった武揚だが、好奇心が強く、新しいものを生み出す能力があったのだろう。ジョン万次郎に早くから英語を学び、続いてオランダ語を学び、オランダに留学。蒸気機関学や電信術等、様々なことに興味を持ち、それに没頭した。また、兄の生活を助けるため、牢獄から手紙で石鹸の作り方を兄に教え、日本で初めての石鹸を誕生させている。また、郵便マーク「〒」を作ったのも武揚だという。こう見ていくと、日本の近代化に大きな影響を与えた人物だ。
「病(びょう)」
夢や空想の世界が好きで、神秘的なものを好む。芸術性に長けている。
今回の鑑定結果について、榎本武揚のご子孫(5代目)の榎本隆一郎氏にコメントを頂いた。
「どれもすごく納得が行く。例えば、武揚は真面目だけど女好き。奥さんを愛し家族を大切にしていたが、遊んでもいた。相当モテたのだろう。また、新しいもの好きということも納得が行く。今までの価値観を崩してきた。ヨーロッパの蒸気機関車に興味を持った。また。モールス信号を日本に伝えたり、オランダから電柱と電線を持ち帰ったりしている。自分が関心を持ったことには一直線だったのだろう。」
今回の鑑定をきっかけに武揚を調べてみて、新政府に対してあれだけの強い反発心を向けておきながら、よく明治政府の中に入って活躍したなあと驚いた。旧幕臣達からの批判もあったろう。その裏には、黒田清隆や福澤諭吉等の必死の嘆願があったことと、武揚が新政府にかかせない外交術を持っていたことに加え、武揚自身、強い信念を持っていたものと推察する。「日本をよくしたい」「欧米列強と並ぶ強い国づくりを」という思いを持っていたからこそ、武揚は自分の持てる能力を最大限開花させることができたのだろう。
古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。
具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。
「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。