テクノロジーの進化は多くの「モノ」をなくし、人間を幸せにする
識者に聞く、2040年のモノとわたしたちの生活〈後編〉
■あと20年で日常生活と、身の回りにあるモノが消滅していく
このロードマップで気になるのが、2038年の「人類の日常生活が消滅する」という記述だ。
「これはネガティブな意味ではなく、我々が生きていくために仕方なく使っていた時間やコストが減るのではないかと考えたほうがいいでしょう。人間が行っていた作業をAIやロボットが代替することで、人間は人間本来の価値を手にするイメージです」
今回の「2040年のモノ」特集に当てはめれば、わたしたちの日常生活とともにあった「生活必需品」も今後はどんどん消滅していくのではないか。「モノ」そのものは実体をなくし、テクノロジーをよりダイレクトに利用できるようになる。
「これらの変化は突然来るのではなく、流れの中から徐々に変わっていくのではないかと予想しますね。とはいえ、予想より早いスピードで技術が進歩していく可能性も大いにありえます。先端テクノロジーとして、『ネットワークコンピューティング・人工知能・バイオ医療・バイオ技術・ロボティクス・モノづくりのデジタル化・ナノテク・神経科学』などが挙げられますが、これらはそれぞれが進歩していくだけでなく、相乗効果によって加速し合う効果も持っているからです。例えば、自動運転とナノテクには直接的な関連性はないように思えますが、この2つが組み合わさった瞬間に最先端の、これまでとまるっきり違うも製品や技術が生まれるかもしれませんから」