「気持ちが詰まった本。背を向けられない」と書店員に言わしめた若き作家の熱
本のプロが読む、額賀澪『拝啓、本が売れません』(「大盛堂書店」山本亮さん、「紀伊國屋書店名古屋空港店」山崎蓮代さん、「コミックスマート株式会社」神代匡志さん)
「とにかく面白いものを作るんだよ。とにかく…。そんな気持ちが詰まった本を出されたら、背を向けられないでしょ。書店員の意地がすたりますよ」
――大盛堂書店 文芸担当 山本亮
「随所に額賀節が炸裂していて笑いました」
――紀伊國屋書店名古屋空港店 山崎蓮代
「ゆとりのない戦場へ自ら踏み入っていく先生の大胆さは、図々しくも心強い」――コミックスマート株式会社 神代匡志
泣きながら悔しい気持ちなりながら、でも時には笑いながら、みんな同じ船に乗っている。でも、あえて世間でもなく誰のせいにしなくてもいい。とにかくやるんだよ。とにかく面白いものを作るんだよ。とにかく…。そんな気持ちが詰まった本を出されたら、背を向けられないでしょ。書店員の意地がすたりますよ。額賀さん、あなたは我々と同じ想いを持った同志です。とにかく、書き続けてください。そして、もっともっと有名になってください。そして、この世に生を受けた額賀さん達の作品が等しく読まれますように。こちらも、もっともっと頑張ります。
(「大盛堂書店」文芸担当 山本亮)
随所に額賀節が炸裂していて笑いました。石田衣良とサンドイッチの話は以前聴いてただけにまた笑えました。 松本さん、ただの酔っ払いじゃなかったなあ(笑)。
(「紀伊國屋書店名古屋空港店」山崎蓮代)
とりあえず、飲みに行きませんか? 最後の一文を読み終えて、思わず口に出した言葉だ。
ページをめくるほど、出版業界の沼の深みにはまっていく姿には、 作品愛溢れる額賀先生の真摯な姿勢がビシビシ伝わってくる。 まじめで、純粋で、文芸の力を信じている姿。 「作家」という職業ならではの孤独な闘い。 エンターテイメントで飯を食うことの覚悟。 ゆとりのない戦場へ自ら踏み入っていく先生の大胆さは、図々しくも心強い。 だからこそ、真正面から綴られた言葉だけではない、 この本から零れ落ちた先生の言葉も、すくい上げて聞いてみたいと思うのだ。 この人に会ってみたい。 本のことはわからなくても、もっと話を聞いてみたい! そう思わせる勢いが、ノリが、この本にはある。
でもその前に、『さよならクリームソーダ』を買って帰ろう。
(「コミックスマート株式会社」神代匡志)