虚を致すこと極まり、静を守ること篤し
定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第三十二回
★虚と静で身心をリフレッシュ
私達人間が生涯現役で楽しく元気に生き抜く為には、意識して、デジタル情報から目をあげて、自分自身の静の時間を作り、心や体を休める事が重要です。特にレジャーに出かけなくても、自然の光を浴び、鳥の声に耳を傾け、ほほをなでる春の風を楽しみながら、ちょっと近所を散歩してみる事で溢れる情報に疲れた脳と体はリフレッシュする事でしょう。この喧噪の時代、私達人間に本当に必要な薬は、制約のない、そして人工的な音楽や画面から離れた、虚と静の時間を、1日少しでも良いので意識して持つ事なのではないでしょうか。その自然との対話の一時が、人生にとって本当に大切なものは、私達のすぐ側にあるのだと、気付かせてくれる事でしょう。
台所で妻が夕食の為に野菜を切る包丁のトントンという音、窓から見える空の色、お気に入りの作家の本を開いてゆっくりと活字を追いながら、言葉で綴られる美しい景色を想像したり、たわいない会話をしながら夫婦で飲む一杯のコーヒー。これまで一生懸命守り抜いて来た人生の宝が奏でる音や景色を味わいながら、この日常こそが幸せである事を忘れずに、身心をリフレッシュして、また次の1歩を踏み出しましょう。
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