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ソ連帝国の形成を容認したテヘラン・ヤルタ会談

戦争勢力の暗躍と、乗っ取られたホワイトハウス シリーズ!日本人のためのインテリジェンス・ヒストリー⑤

 

1943年テヘラン会談スターリン・ルーズベルト・チャーチル

 テヘラン会談が行われた一九四三年十一月、第二次世界大戦は、ヨーロッパでも太平洋でも連合国の優勢が明らかになっていました。

 ヨーロッパ戦線では一九四三年一月にドイツ軍の敗退が始まり、二月にスターリングラードのドイツ軍降伏、九月にイタリアが連合国に降伏、十一月にはベルリン大空襲が始まっています。

 太平洋戦線では、日本軍が一九四二年六月のミッドウェー海戦で大敗、一九四三年二月ガダルカナル敗退、五月アッツ島の守備隊全滅。一九四四年六月、米軍がサイパン島に上陸、十一月にサイパン島からの日本本土空襲が始まっています。

 

1943年のカイロ会談(蒋介石、ルーズベルト、チャーチル)

 明けて一九四五年二月、ヤルタ会談開催時には、ドイツと日本の敗北は目前でした。

 もはや英米ソ三国の優位は圧倒的であり、この三国だけで戦後の世界秩序を思うままにできる状況でした。これらの会談におけるチャーチル・ルーズヴェルト・スターリンの決定がその後の全世界の人々の運命を決定し、その影響はいまだに続いています。

 ヤルタ会談では、それまでの世界秩序をリセットして一から作り直す議論が行われました。ルーズヴェルトらは、日独ら枢軸国との戦争を「民主主義を守る戦いだ」と訴えていましたが、ヤルタ会談では、各国の国民の意思は全く考慮されませんでした。

(『日本は誰と戦ったのか』より構成)

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江崎 道朗

えざき みちお

評論家。専門は安全保障、インテリジェンス、近現代史研究。



1962年生まれ。九州大学卒業後、月刊誌編集、団体職員、国会議員政策スタッフなどを経て、2016年夏から本格的に評論活動を開始。月刊正論、月刊WiLL、月刊Voice、日刊SPA!などに論文多数。



著書に『コミンテルンの謀略と日本の敗戦』(PHP新書)、『アメリカ側から見た東京裁判史観の虚妄』(祥伝社新書)、『マスコミが報じないトランプ台頭の秘密』(青林堂)、『コミンテルンとルーズヴェルトの時限爆弾』(展転社)ほか多数。



 


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