漫画家になりたかった古沢良太が、脚本家になった理由が深い
古沢良太さん4月毎日更新 Q24.「好きなこと」と「向いていること」、どちらを仕事にすべきでしょうか?
――「好きなことを仕事にする」という生き方と、「向いていることを仕事にする」という生き方には、それぞれ良し悪しがあると思います。古沢さんはどう考えますか?
「好き」というのは感情なので、その時々で変化するものですよね。でも、得意なことは生涯にわたって変わらないと思います。それに、得意なことってだいたい好きですよね。「得意だけど嫌い」っていうのはあまりないというか。だから、「人と比べて上手くできるな」と感じるものをヒントにして、仕事をした方がいいと僕自身は思います。「お前はこの能力を使って世の中のためになることをしなさい」と神様に言われているんだ……と思って仕事をすればいい、と考えているというか。
――脚本の仕事については、ご自身としても「得意だ」と感じる部分があったわけですね。
向いているんだろうな、とは思いますね。
――最初、どんなときにそう感じたんですか?
そうですね……。ほかの脚本家に会うと、愚痴を言っている人や悪口を言っている人、「いかに自分たちは報われないか」みたいなことを言っている人が多かったんです。でも僕は、そういう話を聞いていても、「いやいや、そんなに苦じゃないんですけど」と思っていて。そのときに、「自分はこの仕事を苦しまずにできているんだな」と自覚して、脚本家に向いているのかなと思いました。あと僕は、一人で何かを考えたり、書いたりするのが好きなので。その部分でも向いているんだと思います。
――得意なことであれば人から褒められることもあるでしょうし、そこでやりがいも見出していきやすいでしょうね。
そうですね。でも考えてみると、僕もこの仕事をはじめたときは、書くことが嫌でしたね。でも要領をつかんだら、全然苦ではなくなって「楽しいな」と思うようになった。だから、すぐに見切りをつけないのも大事かもしれないです。
――「嫌だった」というのは、どういう部分が嫌だったんですか?
単純に上手く書けなかったからですね。それが書けるようになっていくうちに、気付いたら楽しくなっていました。
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当代随一の脚本家・古沢良太が描き出す
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