脚本家・古沢良太「日常で超サイヤ人の力を発揮するのが大事なんです」ノリで書かない仕事術
古沢良太さん4月毎日更新 Q25.書いているときに「楽しい!」と思う瞬間はいつでしょうか?
――脚本を書いているときに「うわ、楽しい!」と感じる瞬間や、ドーパミンが出ていると実感する瞬間はありますか?
そういう瞬間は特にないです。「ドーパミンが出てる!」みたいな感覚もないです。僕には書いている時間が日常なんですよね。だから、妙にテンションが上がるのはよくない状態だと思うし、通常運転でいいものを書くことが大事だと思っています。
――ハイになった状態は危険なんですね。
なっちゃう瞬間もあるんですけどね。ものを作っている人は誰でもあると思うんですけど、「やってやるぞ!」とか、「世間をギャフンと言わせてやるぞ」「伝説を作ってやるぞ」みたいな。そういう気合も多少は必要だと思いますけど、そういうノリで仕事をしている人を見ると「絶対失敗しそう」って心配になっちゃって(笑)。
――深夜にノッてきたときとか、そうなりがちですよね。
だから危険なんですよ(笑)。
――ご自身としても、そういうテンションで書いたものを翌朝に見て「あれ……?」みたいなことはあるんですか?
ありますね。だいたい徹夜をすると、そういうことが起こりがちなんです。一晩中書いた疲労感が達成感にすり替わって、「すごく頑張ったぞ!」みたいな気分になっちゃうんですよ。
――今回のインタビューの前の回答でも、「いい脚本を書こうと思うなら、締め切りに追われて書くのではなく、脚本を先行して作っていく形にしなければいけない」という話がありましたね。
マンガの『ドラゴンボール』で、悟空と悟飯がセルと戦うときに、特別な訓練をするのではなく、超サイヤ人の状態で日常を送る……ということをしてたじゃないですか。それと同じことで、仕事でも日常のテンションで超サイヤ人の力を発揮できるようになるのが大事なんですよ。そこを描くとは、さすが鳥山明さんだなと思いました(笑)。
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当代随一の脚本家・古沢良太が描き出す
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