遠くて、中心から遠く離れた、中心世界から隔離された場所。 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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遠くて、中心から遠く離れた、中心世界から隔離された場所。

「最小限主義の心理学」不定期連載第15回

■「辺境にある大きな都会」――東京

 でも、よく考えてみると、この日本がそもそも、ヨーロッパやアメリカの人々からしたら、東の果ての果てにある、遠く、中心から遠く離れた、中心世界から隔離された場所だ。

 この日本に降り立ったとき、「私は自分の住んでいる世界から一番遠くの国に来た」と感じるかもしれない。

 東京がどんなに都会になっても、辺境にある大きな都会であることは変わりないのだ。

 感覚としては、自分がたとえばトルコとか、インドの先とか、アフリカのどこかとか、南アメリカ大陸のどこかのほうが辺境感がある。

 日本のどの田舎にいっても、辺境とまで思えない。どこか優しい。

 沖縄もどこまでも落ち着く場所だった。

 でもトルコの人が日本に来たときのほうが、確実に辺境感があるだろう。自分たちの文化とはまったく違う文化が、世界の果てで花開いている。

 そして、そのまま海岸の寒村に行けば、本当に寂しい思いをするかもしれないし、それに猛烈に憧れを感じるかもしれない。

 極東。

 結局私もあなたもいつも、世界から離れた果ての果てで、毎日生きている。

 そう思うと、それはそれでいいのかもしれない。

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沼畑 直樹

ぬまはた なおき

ミニマリスト。テーブルマガジンズ代表。元バックパッカー。

2013年、「ミニマリズム」「ミニマリスト」についての記事を発表し、佐々木典士氏とともにブログサイト≪ミニマル&イズム(minimalism.jp)≫をたち上げる。 著書は、小説『ハテナシ』、写真集『ジヴェリ』『パールロード』(Rem York Maash Haas名義)など。


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