謎の暗号「065」に込められた意味は? 平成初期の難読ポケベル文字
懐かしの通信機器「ポケットベル」にまつわる思い出
◆解読できなかった「084 065」
「81105110(バイトファイト)」など、難読ベル文字もあったが、そのなかでもポケベル世代の筆者が解読できなかったのが「084 065」だ。前半は「おはよう」であることは理解できたのだが、後半がまったくわからない。おそらく送信者の名前なのだろうが、現在のようにどこの誰から送られてきたかもわからないので、確認する術もなかった。
しばらくこの謎が解けなかったのだが、ある日、久しぶりに他校の友だちに会ったときに、彼女が送ってきたことが判明。ポケベルを購入し、試しに番号を知っている友人にメッセージを送ったのだという。
この「065」は「のりこ」と読むそうだ。0はノー、6は六(りく)から、5は「こ」と読む。しかし、彼女の名前はのりことは程遠い。なぜこのような署名をつけたのかといえば、自分の名前を数字にあてはめることが難しく、好きなタレントに由来したとのことだった。
文字変換ができるようになるまで、当時はこの解読作業に追われることも珍しくなかった。一見すると無駄な時間を過ごしたように思えるが、こうした語呂合わせのバリエーションが増えたことにより、歴史年号を覚えることにも役立っている。
いまではこのような苦労をしなくても、文字で手軽にメッセージを送ることが可能。さらにスタンプなどで気持ちを表現することも多い。コミュニケーションは、手段の変化によっても形を変えていくのだろう。もうすぐ平成の次の時代を迎えようとしているが、今度はどのようなコミュニケーション手段が登場するのだろうか。
4月9日発売の『一個人』5月号では、「平成史と年号のフシギ」という特集を展開。「平成 流行クロニクル」という企画では、携帯・スマホの歴史も振り返っている。かつて流行した懐かしい端末を見ながら、当時の思い出を振り返ってはいかがだろうか。
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