肉球のようなソール、皮膚のようなステッチ。モチーフの動物は?【エアジョーダン秘史(13)】
1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。
NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンのシグニチャーモデルとして生まれた〈AIR JORDAN〉。誕生から30年を超え、その背景や物語を知らずにファッションアイテムの一つとして楽しむ世代も増えてきた。そんな「マイケル・ジョーダンを知らない世代」のためのエアジョーダン基礎講座として、今なお続くナンバリングを順に振り返りながら、歴史を紐解いていきたい。
第13回は、1997年発売の「AIR JORDAN 13」。
デザインモチーフは、ブラックパンサー。これはMJ自身のニックネームでもある。アッパーには猛禽類の表皮を思わせるステッチパターンが入り、ヒールサイドのホログラムロゴは目をイメージ。分割されたアウトソールのパターンは、獣の肉球をイメージさせる。
“ラストダンス”を影から支えた
MJ自身をモチーフにしたモデル
獲物を狙うパンサーのような「しなやかさ」が売り
ブルズの第二期黄金時代を築いたMJ、スコッティ・ピッペン、デニス・ロッドマン、そしてヘッドコーチのフィル・ジャクソン。’97-‘98シーズンは、このメンバー全員が揃う最後の年と言われた。それに、MJもシーズン終了後の引退を決意していた。
その“ラストダンス”シーズンにおいて、MJのパートナーとなったのがAJ13だ。MJ自身をモチーフにしたと言われるこのモデルは、ブラックパンサーのようにしなやかな動きができるシューズとして開発された。ソールには新開発のクイックカットアウトソールを採用。これはフォアフットとリヤフットを獣の肉球のように分割することでクイックな動きを可能にしたソールパターンだ。また、アッパーには斑点のようなステッチを入れることでフィット感を向上させている。
そして迎えたNBAファイナル。ブルズはユタ・ジャズを対戦成績 4ー2で下し、見事“ラストダンス”を締めくくった。
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