新しくなった「SLやまぐち号」の旅。一見レトロだけど車内環境がすごい!
エアコン付き、自動ドア、トイレも最新タイプで電源コンセントも…
■運行開始からまもなく40年。「SLやまぐち号」
1979年の運行開始以来、もうすぐ40年になろうとする「SLやまぐち号」。長らく12系客車での運行が続いてきたが、老朽化のため引退し、新しい客車が2017年9月に登場した。何と、一見レトロな旧型客車風ではあるが、エアコン付き、自動ドア、トイレも最新タイプで電源コンセントも各テーブルに設置されているという最新型車両なのだ。機関車も一貫してC57形1号機だったが、昨年11月には、D51形200号機が加わった。すぐにでも行きたかったけれど、諸般の事情で延び延びになっていたのだが、先日、ようやく現地を訪れて、乗り鉄、撮り鉄両方を体験することができた。
前日に現地入りし、朝の9時頃、SLやまぐち号の起点となる新山口駅を訪れた。隣接した車両基地の片隅では一条の煙が上がっている。それをたよりに基地のまわりをうろうろしていると山陽新幹線の高架下あたりから、準備中のD51形200号機を遠目に垣間見ることができた。京都の梅小路蒸気機関車館(現・京都鉄道博物館)のデモンストレーション運転で現物を見たのが30年ほど前。それ以来の再会だ。
駅に戻る途中で、大きな汽笛が響く。D51の準備が整ったようで、構内を移動しつつある。一旦は、バックでホームに接近し、前進して転線、もう一度バックして、待機中の5両編成の客車と連結となった。
ホームに入る。1番線に停車中の普通列車が発車すると、車両基地のはずれで待機中だったSLやまぐち号は一旦前進したあと、バックで展望車を先頭にゆっくりと1番線に入ってきた。車両がカメラの砲列を浴びる一方、ホームでは売店がオープン。車内で駅弁の販売はないとのことなので、SL弁当が飛ぶように売れる。私も購入した。
あらかじめ予約しておいた席は2号車。最後尾の展望車が1号車なので、前から4両目となる。残席が僅かで、席を選ぶことはできなかった。残念ながら窓側ではなく、ボックス席の通路側で進行方向とは逆向き。もっとも、こうした観光列車では、最初から最後まで席にじっと座っているわけではないので、苦痛ではない。
内装は、半世紀以上前の汽車の雰囲気が漂っている。昔の鉄道路線図などレトロな感じがする一方で、デジタルサイネージの案内板もある。もっとも、雰囲気を壊さないようにレトロな書体で停車駅の案内や路線図が表示されるのだ。