筑豊エリアの路線乗りつぶしと日田彦山線の現状
筑豊本線、後藤寺線、日田彦山線に乗ってみた
■1両のみの桂川行きディーゼルカーに乗り込み出発!
九州滞在中に筑豊エリアでまだ乗ったことのなかった路線を1日かけて乗りつぶす計画を立てた。博多駅前に宿泊していたので、博多駅からJR鹿児島本線で出発。各駅停車で南下して鳥栖駅の手前にある原田(はるだ)駅で下車した。
まずは、筑豊本線の一部区間である原田駅と桂川(けいせん)の間を走破する。筑豊本線沿線は、博多駅からだと篠栗線経由で飯塚や直方へ行くのが便利でメインルートになっている。2001年には篠栗線とともに筑豊本線の桂川~折尾付近が電化され、福北ゆたか線という愛称で、このルートに電車が走るようになった。SL時代、ディーゼル時代と石炭輸送の重厚なイメージが強かった筑豊本線の雰囲気ががらっと変わったわけで、そのあおりを受けて原田~桂川間は、すっかり取り残された感がある。私も福北ゆたか線には乗ったことがあったのに、この原田~桂川間は、乗り残したままの区間であった。
非電化区間で単線、旧国鉄時代からのキハ40系ディーゼルカーがたった1両のみで1日数往復するのみ。いわばネックとなるこの区間の列車ダイヤを中心に、1日の行程を計画したのである。
2日ほどの滞在中、朝の鹿児島本線は混雑などの理由で遅れ気味であった。ぎりぎりの接続で乗り遅れたのでは、元も子もないので余裕を持って早めに博多を出発。原田駅でのんびり過ごしてから、1両のみの桂川行きディーゼルカーに乗り込んだ。駅の案内では、筑豊本線の名前は見当たらず、原田線と呼んでいるようだ。伝統ある筑豊本線の名がないとは、ちょっと淋しい。
数人の乗客が座っただけで発車。鹿児島本線と分かれて北東へ進む。小雨が降りしきる中を走るローカル列車から眺める車窓は、ちょっとわびしく物悲しい。複線の西鉄電車を高架で跨ぐあたりは都市近郊の雰囲気であったが、やがて山中に迷い込み、長い冷水トンネルで峠を越える。SL時代には撮影名所だったところだが、むろん写真でしか知らない。長いホームを持て余し、すれ違いができた駅も片方のホームは線路が外され草ぼうぼうで淋しい。平地に入り、少しだけ乗客が増えると、博多方面からの篠栗線と合流し桂川に到着である。原田駅から28分、これにて筑豊本線は完乗だ。
跨線橋を渡って直方方面の電車が発着するホームへ。5分程の接続で3両編成の電車が到着した。正面が黒く、サイドがシルバーという個性的な塗装の車両だ。ほどほどの混み方だったが、難なくクロスシートの窓側席を確保。