完成度は高いがファンの関心は…埋もれた名作〈AJ22〉を振り返る。【エアジョーダン秘史(22)】
1985年の1stモデルから今なお続くレジェンドバッシュのヒストリー。
第22回は、2007年発売の「AIR JORDAN 22」。
基本的にAJ21で「掴んだ」スキルをブラッシュアップさせたXX2。
シューズとして完成度は高く、リアルプレーヤーにも好評だったが、既に話題はジョーダンの背番号にちなんだアニバーサリーの「AJ23」に話題が移っており、その影に隠れてしまった感も…。
ステルス戦闘機「F-22ラプター」を
もとにレトロ感をプラス!
AJ2に近未来テイストをプラスした印象か…?
次世代AJ第2弾は、最新鋭ステルス戦闘機F-22ラプターがイメージソース。とはいっても、AJXX1で成功したレトロスペクティブなエッセンスはこのAJXX2にも生かされ、どことなくオリジナルのAJ2に近未来テイストを足してアップデートさせたようなデザインに仕上がっている。
3世代目を迎えたI.P.S.ポッドは、表面的には見えなくなり内部に搭載されることになったが、交換式のヒールエアは継続。今回は交換したエアがすぐに確認できるよう、かかとに覗き窓が開けられそこから「ZM」、「AIR」など目視できるように改良された。またこれまでカーボンが主流だったソールのシャンクプレートも、今回はチタンプレートを使用し、より金属的な表現に。ヒールカップも同様の処理が行われている。また、BOXもXX2のステルス戦闘機・コンセプトに合わせたデザインで、内部には交換式エアシステムに収納できるスペースが設けられた。
基本的には完成度の高いシューズなのだが、リリースされる前から既にXX3のウワサが先行しており、話題的には今イチ乗れなかった悲運のAJだ。
オリジナル、PE、ローカットの代わりに5/8が登場!
モデルバリエーションは前作XX1から加わったPE(プレーヤーズエディション)と、これまでのローカットに代えて登場した5/8カットの3種類。注目すべきはPEで、XX1とは打って変わった、おとなしい印象のオリジナルよりずいぶんと若々しいストリートライクなデザインに変貌した。
積極的にリリースされた限定カラーモデル
XX2の限定カラー攻勢はかなり活発で、都市限定モデルも5モデルを確認。また「ゲームシュー・エディション」は珍しいバスケットボールパターンで登場。AJ1と対をなす「オメガ」ではジョーダンのラストショットがアッパーに描かれる。PEにも都市限定カラーが存在し、こちらもグッとストリート感を押し出したデザインだ。またPEでは、AJ10以来、久々に5都市別注モデルが登場。シアトル、デンバー、アトランタ、デトロイト、ダラスといったバスケの盛んな都市の街並みをアッパーにレ—ザーで刻んだ変わり種が揃いぶみする形となった。
*参考文献『スニーカーJack Premium「まるごと1冊エアジョーダン23周年』(小社刊)