上原浩治に聞く Q.13 感情を出さないほうがいいと言われますが、どう思いますか? |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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上原浩治に聞く Q.13 感情を出さないほうがいいと言われますが、どう思いますか?

プレッシャーのかかる場面で投げる上原投手だからこそ感じる「発散」の必要性

「発散のススメ」

――前回「感情を隠さない」というお話がありました。ただ、子どものころから「感情はあまり表に出さないほうがいい」と言われることが多いと思います。

確かにそうですよね。小学校時代から野球をやっていた僕もそうでしたけど、監督やコーチが「感情は表に出すな」っていう教えをする人は多いと思います。

でもだからと言って「出さない」が正解で「出す」が間違いであるとは言えないと思う。どちらがいいパフォーマンスができるか、次の日を前向きな気持ちで迎えられるか、それを自分なりに考えて選べばいいと思いますよ。

僕の場合は、感情を吐き出すことによってそれを発散する。それで終わりにする。

――実際、上原さんは勝てば喜びを爆発させてハイッタチをされているし、打たれたらマウンドでしゃがみこむほど悔しがっています。

そうですね。言ったとおり、僕はその場で出してしまったほうがいいタイプなので。

――勝ったときはできても、打たれたときあまり悔しがるといけないのでは……という思いもあります。

これも繰り返しになりますけど、そういうふうに教えられてきた人が多いからだと思うんですね。でも僕の場合は、それが次につながると思っていますから。

思いっきり悔しがって、その感情はそこで発散することで次のバッターを迎えるときは新たな気持ちで臨む。次のバッターに立ち向かうために必要なことなんです。

だから、僕のように「感情を出す」ことが正解なわけではない。出した方がいい人もいる、ということです。

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上原 浩治

うえはら こうじ

1975年4月3日生まれ。東海大仰星高校時代は、外野手兼控え投手。1年の浪人後、大阪体育大学に入学し、当時敵なしといわれたキューバ打線を封じ込めるなど投手として注目を集める。1998年にドラフト1位で読売ジャイアンツに入団。1年目から20勝4敗の好成績を残し、新人王と沢村賞をはじめ最多勝・最優秀防御率・最多奪三振・最高勝率などタイトルを総なめにする。以降、怪我などもありながらジャイアンツのエースとして活躍。2009年に海外FA権を行使しボルチモア・オリオールズに入団。さまざまなポジションを渡り歩きながら着実に実績を重ね、2013年にはテキサス・レンジャーズからボストン・レッドソックスに移籍。シーズン途中からクローザーとなり、リーグチャンピオンシリーズMVPを獲得するなどワールドシリーズチャンピオンに貢献した。現在もボストン・レッドソックスに欠かせない投手として活躍する。



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