上原浩治に聞く Q.13 感情を出さないほうがいいと言われますが、どう思いますか?
プレッシャーのかかる場面で投げる上原投手だからこそ感じる「発散」の必要性
「発散のススメ」
――前回「感情を隠さない」というお話がありました。ただ、子どものころから「感情はあまり表に出さないほうがいい」と言われることが多いと思います。
確かにそうですよね。小学校時代から野球をやっていた僕もそうでしたけど、監督やコーチが「感情は表に出すな」っていう教えをする人は多いと思います。
でもだからと言って「出さない」が正解で「出す」が間違いであるとは言えないと思う。どちらがいいパフォーマンスができるか、次の日を前向きな気持ちで迎えられるか、それを自分なりに考えて選べばいいと思いますよ。
僕の場合は、感情を吐き出すことによってそれを発散する。それで終わりにする。
――実際、上原さんは勝てば喜びを爆発させてハイッタチをされているし、打たれたらマウンドでしゃがみこむほど悔しがっています。
そうですね。言ったとおり、僕はその場で出してしまったほうがいいタイプなので。
――勝ったときはできても、打たれたときあまり悔しがるといけないのでは……という思いもあります。
これも繰り返しになりますけど、そういうふうに教えられてきた人が多いからだと思うんですね。でも僕の場合は、それが次につながると思っていますから。
思いっきり悔しがって、その感情はそこで発散することで次のバッターを迎えるときは新たな気持ちで臨む。次のバッターに立ち向かうために必要なことなんです。
だから、僕のように「感情を出す」ことが正解なわけではない。出した方がいい人もいる、ということです。
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