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年末年始に暴飲暴食しても太らない!?「賢い食べ&飲み方」3か条

太りにくい食べ方やスイーツ、お酒における「誤解」まで。

■②飲み会の後は……食後のデザートに要注意!

 先日、『あまくない砂糖の話』というオーストラリアのドキュメンタリー映画を見ました。

 人は1日平均ティースプーン40杯分もの砂糖を摂っていることを知り、一日40杯の 砂糖を2か月間摂取し続けたらどうなるか──を監督自らが実験した映画です。かなり衝撃的な内容ですが、とてもいい映画なので、実験の結果が知りたい方はぜひ映画をご覧ください。DVDも出ています。 

 砂糖は、サトウキビやサトウダイコンからファイバー、ビタミン、ミネラルを取り除いたショ糖のことで、純度100%の化学物質です。つまり、栄養素は空っぽ。そして、ほかの糖質と同じように食べると急激に血糖を上げるほか、脳への影響や強い依存性も持っています。

 いま、若い人たちの間で〝砂糖中毒〟がとても増えています。ケーキやチョコレートなどのスイーツは、和洋問わず砂糖の塊です。そうした甘いものは緊急のエネルギー源として重宝します。しかしそれを我慢できない人が増えています。その結果、増えているのが、アトピー性皮膚炎や喘息、膠原病、気管支喘息、咳喘息といった免疫にかかわる病気です。うつ病やパニック障害といったメンタル疾患を引き起こすこともあります。

 高齢であれば、認知症にもつながります。しかも、うつ病やパニック障害、認知症の場合、不安になるのでさらに甘いものが食べたくなるという悪循環に陥ります。

 こうした病気が見つかれば、みな、薬に頼ろうとしますが、ベースにあるのは砂糖中毒だということを忘れないでください。町医者とし、甘いものをやめただけで病気が良くなった人をたくさん診てきました。

●アルコールより怖い「砂糖依存」

 疲れているときには甘いものが効く、と言う人がいます。たしかにそうです。しかし、脳の栄養源はブドウ糖しかないと思っている人もいますが、そうではありません。

 ブドウ糖が切れたら、「ケトン体」というものを使うようになります。だから、糖質が不足すると頭が働かなくなるというわけではありません。 

 確かに砂糖は即効性のあるエネルギー源なので、「さあ、やるぞ!」というときに チョコレートを一粒食べることはいいでしょう。でも、あくまでも砂糖は珍味であると考えたほうがいい人が増えています。毎日、あるいは1日中食べていると、確実に 病気になります。 砂糖中毒が増えている今の日本では、全国民がそれに気づくだけで医療費を3分の 1くらいに減らすことができるでしょう。それほど、砂糖中毒は深刻です。 

 食べ物のなかで、依存症と聞いて真っ先に思い浮かべるのはアルコールかもしれません。ただ、最近はアルコールを飲む人が減ってきていますし、もともと日本人は体質的にアルコールをあまり飲めません。ですから、アルコール依存以上に深刻で、圧倒的に数が多いのが砂糖中毒(砂糖依存)なのです。

 よく生活習慣病の原因として挙げられる塩もお酒も、「摂りすぎ」「飲みすぎ」が悪 いのであって、適量であればもちろんプラスになります。むしろ塩はある程度は必要です。 ところが砂糖は、なくても困らないもの、もっと言えば嗜好品。それなのに、中毒が増えてしまっているのが現状なのです。

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長尾 和宏

ながお かずひろ

1958年、香川県生まれ。医師、医学博士。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。84年、東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。95年、兵庫県尼崎市で開業、2006年より在宅療養支援診療所となり、外来診療と24時間体制での在宅診療を続ける。日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本禁煙学会専門医、日本在宅医学会専門医、日本内科学会認定医、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授。近著に『病気の9割は歩くだけで治る! 』『認知症は歩くだけで良くなる』(ともに山と渓谷社)、『がんは人生を二度生きられる』『その医者のかかり方は損です』(ともに青春出版社)、『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)など多数。


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  • 2016.10.20