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子どもたちのために、日本文学の名作から「真の国語」を教え、広めたい

2023年のApril Dreamで「夢」として語り、実現した『スーパー読解「舞姫」』につづいて「スーパー読解」シリーズを出版し、もって中・高生、および日本人の国語力の維持向上に貢献したいです。







文学の名作の読解にこそ、「真の国語」の道がある


当社は、 4月1日を夢を発信する日にしようとする April Dreamに賛同しています。このプレスリリースは「 有限会社言問学舎 」の夢です。



言問学舎は2019年から、正業の学習塾に加えて出版事業に取り組み、「真の国語」を教える教材づくりをすすめています。2023年にこのApril Dreamで「夢」として語った『スーパー読解「舞姫」』を出版し、また同年、翌年と『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』シリーズの高学年、中・低学年用をそれぞれ完結させました。

次なる夢が、「スーパー読解」のシリーズ化で、2024年のApril Dreamでも、展望を語っています。言問学舎の「真の国語」を教える国語教材の第1シリーズ『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力』は完結致しましたので、今後は高校生、中学生が学校の教科書で学ぶ日本文学の名作を中心に、その文章を深く読みこんだ上で、自分の身に引きつけ、さらにその考えをまとめて表現する力を育てるのが、「スーパー読解」シリーズです。

手はじめに、今年6月の刊行をめざして、中島敦の『山月記』を深く読み込む『スーパー読解「山月記」』を出版するべく、ただいま準備をすすめております。


『スーパー読解「山月記」』仮表紙



実はこの「山月記」は、比較的上位とされる高校の多くが採択している「論理国語」の教科書には載っていません。「文学国語」の教科書には載っています。しかし、この「論理国語」、「文学国語」に従来の「現代文」が分けられて2年、特に2年目の2024年度には、かなり多くの高校で、何らかの手段を用いてこの「山月記」を授業で教えている実態がありました。統計的なものは見つけられませんが、実際に高校の国語の現場で実践されていたということです。実際に通っている生徒たちにも、学校の試験対策を含めて指導しました。さらに、2026年度からの高校1年生用の「現代の国語」の教科書に、2022年度からの版では除外された「小説」がかなりの割合で戻されているというニュースも出ています。

高校2年生という年齢で、「山月記」を学ぶことに大きな意義があると考える先生方が、それだけ多いのでしょう。一方で、言問学舎ですでに対応版を出版している森鷗外の「舞姫」は文語文(古文の文体)で書かれていますが、「山月記」は口語文です。しかし、「漢文訓読調」などと言われることもあるやや難解な文体で、特に漢語を転用した表現が多いため、現在の高校生たちには、やはり難解な文章ととらえられることが多いです。


『スーパー読解「舞姫」』表紙


しかしながら、むずかしい文章を読み解くことは、未知のものに挑む経験を積むことができるばかりか、手がかりを見つけて推論を重ねることで、思考力を大きく鍛え、伸ばすことができる重要な機会です。また、「山月記」の主人公李徴の、「臆病な自尊心」、「尊大な羞恥心」について、表面的な字義だけでなく、その底に流れている、人間みなが心の奥にひそめている弱いもの、醜いもの、悪しきものについて考えるという体験が、16歳、17歳という年齢である高校2年生にとって、かけがえのない学びとなるのではないでしょうか。

李徴の自白の中にある、「おれよりも遥かに乏しい才能でありながら、それを専一に磨いたがために、堂々たる詩家となった者が幾らでもいるのだ。」という感懐への共感は、多くの人が持ちうるところではないかと思われます。そうした「共感」から、作中主体や作者の人間像、あるいは「人間の本質」を知り、迫る機会をこの年代に持つことを、国語学習の場に保持しつづけることは、きわめて重要でありましょう。
 
言問学舎が考える「真の国語」の学びとは、広く深いものをたたえた、すぐれた文章の中から、自分の人生に結びつく何かを見つけ、それに対する自分の考えを組み立てることです。そのため独自の工夫で、その手がかりを見つけ考えをまとめるための教材を作り、授業で実践して来ましたが、今年からの「スーパー読解」シリーズでは、中・高生が教科書(学校)で学ぶ文学の名作を題材とすることで、より多くのお子さんたちに「真の国語」を学んでもらいたいというねらい、すなわち「夢」があります。その第1弾(シリーズ第2弾)が、『スーパー読解「山月記」』です。

また、秋刊行の第2弾(シリーズ第3弾)は、中学3年生の教科書に掲載されている魯迅の『故郷』を用いた『スーパー読解「故郷」』を計画しています。

前作まで付属DVDで提供していた文章の音読画像の提供方法も一新し、さらに多くのお子さんたちの勉強に役立てていただく「スーパー読解」シリーズを送り出すのが、今年、2025年の言問学舎の「夢」であります。もちろん「夢」は大きく、数年間いろいろな名作を手がけた上で、夏目漱石の『こころ』にたどりつきたいと考えています。

他の一面で、創業時から一貫して追い求めてきた「真の国語」を現場で子どもたちに教えつづけることが、私どもの「夢」でありますが、その「真の国語」の理念と塾での実践をわかりやすくお伝えする動画をこのほど作成し、公開致しました。