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第45回 北海道新幹線に試乗

 

3月26日に開業する北海道新幹線の新青森と新函館北斗間。それに先駆けて行われた報道関係者向けの試乗会に参加した。

 

 

北海道新幹線H5系

 

吹雪の中を函館駅から普通列車に20分ほど乗って渡島大野駅へ。周りには何もないこの小さな駅が新函館北斗駅になる。真新しい新幹線ホームへ降りると、すでに北海道新幹線用の新型車両H5系が停まっていた。新型とはいっても、東北新幹線「はやぶさ」用のE5系とほぼ同じだ。外見の違いは、緑と白の間のストライプがラベンダーを思わせる薄紫になっているのと、北海道の地形図をあしらったシンボルマークが張りつけられているのが異なるくらいだ。それでも、真新しい車両は、やはり魅力的だ。

 

 

地元の人たちのお見送り

 

地元の女性たちやゆるキャラに見送られて新函館北斗駅を出発。滑るように走りだす。雪景色の北の大地を疾走。遠くには雄大な山並みが見える。積雪のため、最高速度の260キロではなくて、210キロに抑えて走りますとのアナウンス。それでも、北海道初の時速200キロを越えるスピードの列車ということで期待は高まる。

 

 

北海道の車窓から

 

やがて、左手には函館山が見えてくる。在来線では、津軽海峡の彼方に島のように見えた山をこの位置から望むのは新鮮だ。さらに列車は山深いところに差しかかり、長いトンネルを抜ける。木古内に近づくと津軽海峡が望まれるけれど、背の高い防音壁に遮られて、ちらりとしか見えなかったのが残念だ。

 

新幹線から見える函館山

 

スピード制限があったけれど、予定通り13分で木古内に到着。この駅でも地元の人たちの大歓迎を受けた。この先北海道新幹線は青函トンネルをくぐって新青森駅を目指すのだが、青函トンネルは在来線が使用中なので、この日は通れなかった。直通で東京まで乗り通すのは、開業日の3月26日までお預けだ。

 

 

木古内駅ののぼり

最速で東京駅と新函館北斗駅は4時間2分。開業したら、さっそく全線乗ってみたい。

 

野田 隆

のだ たかし

1952年名古屋生まれ。日本旅行作家協会理事。早稲田大学大学院修了。 蒸気機関車D51を見て育った生まれつきの鉄道ファン。国内はもとよりヨーロッパの鉄道の旅に関する著書多数。近著に『ニッポンの「ざんねん」な鉄道』『シニア鉄道旅のすすめ』など。 ホームページ http://homepage3.nifty.com/nodatch/

 

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