ちつトレ、柔らかく潤す
女子40歳からの、身体美人化計画 第9回
■女性としての心と体を健やかに保つセルフケア
爽やかな5月も終わり、湿度の高い6月になりましたね。いかがお過ごしでしょうか。重たい雲に押されて心にも重さを感じ、なんとなく元気が出ない人も多くなる季節かもしれません。そんな時は自然と胸が閉じて呼吸は浅くなり、骨盤も硬くなるため、女性としての花がしぼみやすいです。
胸を開いて目線を高くした状態ではネガティブなことを考えられないのがヒトの仕組みで、例えば良い姿勢でばかやろーと言ってもコントになるだけ。体と心は常に連動しているので、チカラワザで心を上向かせるよりも、特に女性は骨盤を柔らかくする動きをすることで、心も柔らかく温かくなってきます。この季節も第3、4回コラムに紹介している骨盤や肩甲骨のリセットをやり、女性機能や自律神経をUPして、軽やかな女子をやりましょう。
ところが湿度が高い季節とはいえ、インドの伝統医学・アーユルベーダにも造詣の深い助産師たつのゆりこ先生によると、膣が乾燥して硬くなっている女性があまりにも多いとのこと。そのために女性の体の状態が悪くなり、生理痛、不妊、子宮や卵巣疾患などの女性系はもちろん、尿トラブル、内臓下垂、便秘など様々な症状になっているそうです。これは確実に女性としての老化も進んでいるとも言えます。たつの先生は監修されている本(「ちつのトリセツ 劣化はとまる」(径書房))で、その解決法として膣のセルフマッサージを勧めています。
特に先生が強く言われているのが、若い女性だけでなく、もう男性とは関係を持たないから自分には関係ないと思っている、または閉経した年代の女性にこそ、マッサージをして欲しいということ。それには私も同意します。いくつになっても女性としての自分の体をケアし続けることが、何よりも女性としての心と体を健やかに保ち、いつまでも若々しく美しくあることになるからです。
ただマッサージをすることに抵抗がある人も多いと思うのです。でも大丈夫ですよ。膣のセルフマッサージの目的は、膣や子宮などを温かく柔らかくし、それらの機能を上げること。あと先生が勧めているのは骨盤底筋の強化。つまり、私がこれまでの連載で言い続けていることと同じです。マッサージに関心のある人は、たつの先生が監修された本を手に取って実践してみるのも良いと思います。でも抵抗がある人は、このコラム連載で毎回紹介してきているエクササイズをやってください。手前味噌で恐縮ですが、その全てが女性としての心と体を健やかにし、質を上げ、若々しく美しくあるためのものです。ぜひ「ちつトレ」も兼ねて、エクササイズをやってください。
また食品メーカーのフジッコと東京の陳瑞東クリニックの共同実験によると、大豆の栄養素イソフラボンを1日38mg、1ヶ月間摂取した女性被験者は、膣粘膜の表層、中間細胞が増えて40%も改善し、潤いがUPしたという結果があります。驚きの改善率ですよね(ちなみにイソフラボン含有量は納豆1パックに約35mg、豆乳200ccに約40mgです)。イソフラボンは女性ホルモンと似た働きで女性の体を助けますが、膣を潤す効果まであり、本質的に女性を瑞々しく艶やかに助けるのです。
さらに、私は日本でいう中国の文科省の管轄組織が出している、国際中医薬膳師という国際資格を持っているのですが、その観点からも、いつまでも若々しく美しくありたい女性にとって、大豆は非常に優秀な食材です。大豆は水分代謝を良くする食材に分類されていて、むくみ解消などに効果がある上、お肌やあらゆる乾燥を潤す食材なので、中国医学薬膳においても、女性の美容と健康には超優良食材です。
中でも私がオススメする大豆製品は「豆乳」です。大豆料理は食べるのに手間がかかりますが、豆乳なら10秒チャージができます。また有機大豆を使った1ℓ豆乳でも一般的なスーパーで200円ほどで買えるという、すごい食材なのにコスパまで最高です。アレルギー体質の人にも良い食材なので、喘息やアトピーをほとんど薬を使わずに克服した私も、豆乳は毎日温めて飲んでいます。ちなみに中国医学では体を冷やすことは言語道断。薬膳料理にも食材や料理を冷蔵庫などで冷やすという概念はありません。大豆アレルギーの人は仕方ないですが、豆乳は本当にオススメの食材です。ぜひ膣もお肌も潤った、瑞々しく美しい大人をやりましょう。
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