生まれてありがとう! 難病を持つ我が子への愛!!「道化師様魚鱗癬」とは何か!?
難病を持つ我が子を愛する苦悩と歓び(1)
◆「難病を抱えた我が子とどう向き合うべきか」という問題
私の息子である、陽くんは2016年の暮れに生まれました。
妊娠35周目の帝王切開による分娩で、体重は2335グラムでした。
36週以前に生まれれば、いわゆる早産で、通常の産院では呼吸や血圧などに異常が発生したとき管理するのが難しいので、地域の基幹病院である三重中央医療センターへ送られてきたのです。
陽くんは仮死状態で、心拍数も低く、すぐに分娩室からNICU(新生児集中治療室)へ移されました。
心拍はすぐに回復しましたが、出産の時点で、全身の皮膚の異常、指の癒着、マブタや唇の異常、耳介(じかい)の変形など重症の「道化師様魚鱗癬」を示す症状が認められ、その管理をする必要もあり、NICUで集中治療をする必要があったのです。
新生児では元気な子もたくさんいる一方で、命に関わる症状を持って生まれたり、出生直後に罹患する子も少なくはありません。
一般的に未熟児は低体温・免疫不全からくる感染症にもかかりやすいのですが、陽くんは加えて重症の魚鱗癬で、皮膚からの細菌感染などのリスクも高かったのです。もし感染が全身に回ってしまうと臓器不全などが起こり、亡くなってしまいます。
10年ほど前までは、その死亡率は高く、陽くんも油断のならない状態が続き、出産から約3ヶ月間、入院しました。やっと退院したのもつかの間、その後も感染からと思われる身体上の変調や不調が次々に起こり、入退院を繰り返しました。
昨年(2018年)はビタミンA誘導体である「チガソン」が奏功したことから肌の状態も良好になり、感染症も少なくなって緊急入院はほぼなくなりました。
今年になって久しぶりにブドウ球菌による感染が起こり、2カ月月間入院しました。
菌が薬剤耐性となり、抗生剤が効きにくい状態になりましたが、医師や看護師、その他のコメディカル、家族も巻き込んでのチーム医療により危機を脱することができました。
感染は皮膚からで、皮膚がゴワゴワして、バリア機能が低下している状態では、いつまた再発するかわからず、当分用心しなければならないそうです。
陽くんは現在2歳になりました。言葉も日々増えつつあり、お母さんやお父さんとのコミュニケーションもだいぶとれるようになりました。
難病をもつ子供とどう向き合うのか、これから少しお話させていただこうと思います。(『産まれてすぐピエロと呼ばれた息子』より)
【参考資料】
本書をもとにCBCテレビ『チャント』にて「ピエロと呼ばれた息子」 追跡X~道化師様魚鱗癬との闘い(6月26日17時25分より)が放送されました。
https://locipo.jp/creative/41a0b114-7ee7-4f24-976c-e84f30d2b379?list=5a767e90-3ff9-479c-a641-e72e77cf42c3
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産まれてすぐピエロと呼ばれた息子
ピエロの母
本書で届けるのは「道化師様魚鱗癬(どうけしようぎょりんせん)」という、
50~100万人に1人の難病に立ち向かう、
親と子のありえないような本当の話です。
「少しでも多くの方に、この難病を知っていただきたい」
このような気持ちから母親は、
息子の陽(よう)君が生後6カ月の頃から慣れないブログを始め、
彼が2歳になった今、ブログの内容を一冊にまとめました。
陽君を実際に担当した主治医の証言や、
皮膚科の専門医による「魚鱗癬」についての解説も収録されています。
また出版にあたって、推薦文を乙武洋匡氏など、
障害を持つ方の著名人に執筆してもらいました。
障害の子供を持つ多くのご両親を励ます愛情の詰まった1冊です。
涙を誘う文体が感動を誘います。
ぜひ読んでください。