「自己顕示欲が強い」男の特徴とは?
~人気女性ライターが感知した“あかん男”たち~
クズではないけど、第六感の危険信号を刺激してくる男たち
(『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』より引用)
例えば借金がある、DV癖がある、浮気をする、実は前科があるなどの訳あり物件の男性を『クズ男』と総称するとしよう。でも中には表面的に分かりづらいけれど、そのクズに到達していないけれど、人間としての危険性をはらんでいる男がいる。その本性がほんのちょっとした言動や風貌で「(……この男、なんかおかしくないか?)」と、第六感を刺激してくる男を何人か見てきた。
キャップのつばを敢えて後ろにかぶるといった小さな癖に始まり、メール返信のスピードが遅い、必要以上に笑顔でいるなど、ヤツらは各所に自分の爪痕を残していく。他の男性にも同じ癖を見出して、私調べで統計を取っている。どの特徴においても結果までたった一人で断定はせず、すべて数人の同類をチェックして、あかんぶりを検証してきた。
そういう癖を持った男を総称して個人的に『あかん男』と呼んでいる。中でも、その言動が分かりやすかった数名のエピソードをランダムに紹介していきたい。
女性に結婚願望があれば、今の日本では男性でないと婚姻関係を結ぶことはできない。でもだからと言って、相手が誰でもいいというわけではない。私たちにだって選ぶ権利と最低基準はある。その一項目に今回ラインナップされた、『あかん男』を思い出してほしい。
「(……この癖がある男、あの本で読んだ。まずいかもしれない)」
こんな風に思い出してくれたら幸いである。未然に男性災害を防ぐための、防御策をどうぞ。
“あかん男”たち①
【キャップのツバを後ろにしてかぶる男】
▼自己顕示欲が強い▼
自分のことを認めてもらいたい、実際の自分よりも良い人間に見られたい。そういう欲望が、自己顕示欲である。度合いは別として、誰にでもあって当然の癖である。
特にその癖が強いのは幼少期。母親の気を引こうと、あの手この手でアピールをしてくる。時にはそれが泣きわめくものから、スーパーで見かける「買ってくれるまで動かない!」というストライキまで、種類はさまざま。大人でもSNSで自分の投稿に対して、反応を求める承認欲求が見られるが、あちらも自己顕示欲の一部である。ふと、その顕示ぶりが強い男性の特徴を見つけてしまった。それが『キャップのツバを逆にしてかぶる』ことである。
旦那の浮気で悩んでいる友人が同時にふたりいた。悲しいかな『浮気』はそんなに珍事ではなく、話を聞く側としては日常茶飯事に近い。ともに仕事と称してほぼ自宅には戻らず、それぞれ子どもはワンオペで育てている。
その旦那たち、ともに自営業でかなりの売り上げを上げている。友人以外から聞いたのだが、目上の人へのアピールが巧妙で、着々と人脈を広げているとか。自己顕示がうまいのだ。家族には申し分のない生活費を渡しているらしい。
「(まあ、あの旦那なら何人女がいても、なんら不思議はない)」
という、揃ってプチオラオラ系の風貌でもある。同じような境遇、ビジュアルという時点で身震いをしたのだけど、さらにおかしな共通項を見つけてしまった。ふたりとも、いつもキャップのツバを逆にして被っているのである。
友人のSNSには幸せそうな家族ぶりが日々アップされていて、時折、旦那も登場する。その写真はすべてツバが逆。ツバが後ろなら日除けにもならないし、キャップで髪の毛をまとめているのか ? というと、ふたりとも短髪だ。草野球のキャッチャーでもない。ツバが逆というのは、帽子としての機能を何も果たしていないに等しいのに、なぜ逆を選ぶのだろう。
その癖を持つ人物をもうひとり。仕事上のフォーメーションにより、仕方なく、取材グループを組むことになったカメラマンだ。いつも撮影現場に入る瞬間からツバは見事なまでに、後ろを向いていた。こうして文章にすると大したことのない癖に思われそうだけど、思い返してほしい。周囲にいるだろうか、逆ツバ男。いや、そんなにいないぞ、逆ツバ男。
まずこのカメラマン、打ち合わせが長い。それも必要に応じて長いのではなく、これまでの自分の作品を私に見せてくる時間が長すぎるのだ。そんなものはホームページで一覧すれば、一瞬で終わるのに「この撮影のときはたくさんの人に囲まれちゃって大変だったんだよぅ」ご丁寧な解説つきだ。子どもっぽい自己顕示欲が強いにもほどがある。それから撮影後、私が制作した紙面をチェックして、メールが届く。
『ボクはあの表紙が嫌いです。もっと売上が伸びるレイアウトがあるのに!』
この文面を50歳近くの大人が送ってくる事実を、ただの駄々っ子というだけでは済ませられない。その後、とあるアイドルグループのライブリハーサル室を訪ねた時のこと。取材対象者のアイドルが、ツバを逆にしてかぶってダンスをしていたのを見て、ドキッとしてしまった。
「(これから一緒に仕事するのに、まさか……)」
本人にさりげなく、いつもそんな風にかぶっているのかと聞くと、
「リハ中だから、髪の毛が邪魔なんです。それにこのほうが鏡に映った表情が分かるし、他のメンバーの動きも見えるから」
あくまでも視界を広げるためのものだと教えてくれて、胸をなでおろした。完全に逆ツバ男のトラウマである。
ツバを後ろにしてキャップをかぶる男性がいたら、騙されたと思ってどんな人間かチェックしてほしい。なんともないと感じるのなら構わないし、それはあなたがれっきとした大人で懐の広い証拠とも言える。
が、私は何かと逆ツバ男の例を目撃してしまったので、まずは警戒する。それは自分も自己顕示欲の塊という自覚があるからだ。恋に落ちた相手と、せめてキャラかぶりは避けたい。
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