大海原に巡らされた警戒網が
バルチック艦隊の動向を察知
日本海海戦と東郷平八郎 第8回
バルチック艦隊がウラジオストックへ向かうコースとしては対馬、津軽、宗谷の3海峡が想定された。敵艦隊の動きをいち早く捕捉するために連合艦隊は秋山真之中佐が中心となり、緻密な哨戒作戦を練りあげた。
秋山は海図上に朝鮮半島の南にある済州島と佐世保の間に直線を引き、それを北限として南側に正方形を描き、緯度、経度とも10分ごとに碁盤割にした。哨戒船は貨客船などに大砲を据えた仮装巡洋艦など70隻以上を用意。それらの哨戒船を碁盤の目の中に配置した。