レッズ・遠藤航「調子に乗っていたころ」と、見つけた学び
世代別の日本代表主将を務め、その言動もまじめ。そんな遠藤航の原点とは
・過去から学んだこと
いきなりですが、僕はよく「まじめですね」と言われます。
実年齢以上に見られることもしばしばで、それはまあまあショックなのですが(笑)、ポジティブに考えると、そう思っていただけるのは、世代別の代表でキャプテンを務めさせてもらっていることに加えて、僕自身、「調子乗っていたな」と振り返る過去があったことも影響しているのではないか、と思います。
今回は、ちょっと僕の過去――イメージの違うかもしれない遠藤航を書いてみたいと思います。
僕がサッカーを本格的に始めたのは小学校1年生のころでしたが、幼稚園のころからボールを蹴ることが大好きで、いつもボールと遊んでいました。とはいえ、決して注目されていた選手ではなく、中学校入学前には、横浜F・マリノスのジュニアユースセレクションに落ち、入った中学のサッカー部でもチームとして目立った活躍はなし……。父親と一緒にプレミアリーグを観るのが大好きなふつうのサッカー少年でした。
ちなみに好きだったチームはチェルシー。モウリーニョ監督がすごく強いチームを作っていて、とても惹きつけられたし、選手では、僕自身がちょうどセンターバックにコンバートされたばかりだったこともあり、ジョン・テリー選手に憧れていました。いつかは海外でプレーしたい、現実のポジションと裏腹に、その思いは強くなっていました。
そんな僕に転機がやってきたのが、中学二年生の頃。湘南ベルマーレのユースで練習するチャンスにめぐまれます。僕ではなくゴールキーパーの選手が目当てだったようなのですが、そこでのプレーを認めてくださったのが現在湘南ベルマーレで監督をされている曺貴裁さんでした。当時は湘南のU-18の監督をされていて、練習参加の一年後、中学三年生のときにオファーをいただいたのです。
湘南ユースに入ってからは、U-17の日本代表に選出され、トップチームの練習に参加させてもらうなど、それまでとは違った世界が目の前に広がり始め、少しずつですが自信もついてきていました。ただ、これこそが「調子にのっていた」過去のきっかけでもあったのですが。