「ジャニーズのクィア史」 男性アイドルの「姫ポジ」はいかにして生まれたか?【梁木みのり】
世界を席巻するK-POPに目を転じると、可愛らしいビジュアルの先駆けはSUPER JUNIORのリョウクだろうか。BTSで中性的な印象を受けるのは、曲線的な骨格と透き通った高音ボイスをもつジミンだ。
SEVENTEENジョンハンとスングァン、Stray Kidsフィリックス、THE BOYZニュー、ATEEZヨサンなど、どのグループにも中性的な外見やキャラクターのメンバーがいる。現在総勢20名のNCTでは、テン、ウィンウィン、ジョンウ、ロンジュンとずらりと挙げることができる。
2020年代の今、「姫ポジ」は男性アイドルグループに必要不可欠な存在と言えるだろう。
現在旧ジャニーズでクィアの最先端を走っているのが、関西Jr.の伯井太陽(ひかる)だ。2011年生まれの12歳ながら、ダンスコンテストで数々の優勝を掴んできた実力者。耳の上を刈り上げて後ろ髪を伸ばした特徴的な髪型が目を引く。ヘソ出しスタイルで踊る動画をアップし、一躍ファンの間で話題になった。「ギャルマインド」をキャッチコピーに掲げるなど、既成の価値観を次々とぶち壊していく姿が見逃せない。
大きく揺れる旧ジャニーズだが、この大魚を逃さず育て上げられるか。「姫ポジ」の先を見せる、新たなアイドルのブレイクを期待している。
文:梁木みのり