「活躍しようと思うな」
長友佑都がオリンピック日本代表に託した金言
リオデジャネイロオリンピックにかける思い。長友、本田らオリンピック経験者からのメッセージ。
■ひそかに目指していたロンドン五輪
4年前。僕は、ロンドンの地で躍動する日本代表の選手たちのプレーをテレビ越しに、羨望の眼差しで眺めていました。
ユーロ、ワールドカップを制したスペイン代表を撃破した大津祐樹選手のコーナーキックからのダイレクトシュート。快速を飛ばして一気に得点を決める(永井)謙佑君のプレー……次々と強豪を打ち破っていくチームに思わず「すげえ…」と感嘆の声を漏らしていた記憶があります。そして、「ここで自分がプレーしていたらどんなプレーができていただろう」と未だ見ぬオリンピックの舞台に思いを馳せていました。
このとき19歳。実は僕はこのロンドン・オリンピックに「選ばれて出場したい」という想いがありました。所属する湘南ベルマーレは、このロンドン・オリンピックを目指す日本代表チームと練習試合で対戦する機会があったため、その思いはずっと心の中にあったのです。残念ながら選ばれることはなかったのですが、多くの選手とピッチで戦った経験があったことも手伝って、もっともオリンピックを身近に感じることができたのが、このロンドン大会でした。
この大会で印象深いのはメキシコ戦です。
躍進を続けるチームに、日本中が「メダルを獲れるのではないか」と盛り上がっているなか、僕も「メキシコに勝てるんじゃないか」という期待を持って試合を観ていました。前半すぐに、大津さんのゴールで先制し、そのムードは俄然盛り上がりましたが、その後追いつかれ、後半には2失点。
「メキシコ強い……」
勢いに乗り、しかも先制までした日本代表チームに対し、メキシコは慌てることなく試合内容でも圧倒していました。そのままメキシコは優勝を果たしたのですが、とてもセンセーショナルな試合で、記憶に残っています。
あれから4年が経ち、今度は僕がその舞台への挑戦権を手に入れました。
今は、大会への気持ちも昂ぶってきていますが、一方で「活躍しようと思いすぎない」と自分を戒めてもいます。
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