夏休み、8月中ごろに見られる流星群と大彗星や流星群と人類の歴史の話【自由研究のヒント③】
【お父さんお母さん必見!夏のおすすめ自由研究のヒントシリーズ】8月中ごろに見られるペルセウス座流星群を観察してみよう!大彗星や流星群、隕石にまつわる歴史
肉眼で観察できる流星群
毎年夏休みの8月中頃は、望遠鏡を用いずとも、多くの流星が見られる時期として知られています。
条件がよければ1時間に100個もの流星がみられる「ペルセウス座流星群」が活発に活動するからです。(夜の屋外において、肉眼で観察する際には、充分な虫除け対策をして、望んでください)
大彗星や流星群と人類の歴史
今回は、そんな肉眼でみていたであろう大彗星や流星群と人類の歴史です。夕暮れや明け方の空に突然現れ、長い尾を引いて輝く彗星。
前ぶれもなく姿を見せることから、古来よりそれは、大災害や変事の前兆だと恐れられていました。実際の彗星は氷などの揮発性の物質で、尾は太陽へ近づくことで噴出したガスやダストで形成されています。
最古とされる彗星観測の記述は、紀元前240年、秦の始皇帝がハレー彗星を見たというものです。
日本では684年のハレー彗星の記述が『日本書紀』に見られます。
中世ヨーロッパでは、ウイリアム1世によるイングランド征服の物語をつづった刺繍『バイユーのタペストリー』に、1066年3月に回帰したハレー彗星が描かれています。
その直前の1月にイングランド王が没し、その王位を継承したハロルド2世が同年10月に戦死したことから、「彗星は訪れるであろう不運への警告」と考えられるようになりました。
夜空にスーッと光の線を描き、瞬間的に消えてしまう流れ星。
これは氷やチリなどが大気圏に飛び込み、衝撃波により加熱されて輝く現象です。
流星物質の多くは、彗星が太陽に近づいたときにまき散らしたダストに由来します。彗星の軌道が地球の軌道と交差していると、毎年同じ時期にダストが地球の大気圏に飛び込み流れ星(流星群)となります。
流星群にはしぶんぎ座流星群(1月3日に極大=以下同)、ペルセウス座流星群(8月13日)、しし座流星群(11月17日)、ふたご座流星群(12月15日)などがあり、例年決まった時期に出現数が極大となります。
なお、しし座流星群は、母彗星のテンペル・タットル彗星が回帰した直後に大出現します。
最古の記録は902年で、1833年の出現では、北アメリカを中心に流星雨となって降り注ぎ、「この世も終わる」「世界中が火事になる」などと人々を恐れさせた記録が残っています。
流れ星は上空で燃え尽きてしまうが、1mより大きな岩石質や金属質の小惑星が地球の大気圏に突入すると、燃え尽きずに地上へ落下することがある。
これが隕石で、その記述は伝承や伝説に多く残ります。
日本には、10世紀末頃の隕石と思しき岩石を御神体として祀る、大阪府交野市の星田妙見宮(ほしだみょうけんぐう)があります。
また、愛知県名古屋市の星宮社(ほしみやしゃ)には、舒明(じょめい)天皇の時代(629〜641年)に天から星が降ったという伝説があります。
隕石の正体がわからない時代、天空から輝き落ちたそれは神の遣いであり、祈祷や信仰の対象とされたのです。小惑星が地上に衝突すると、衝撃はクレーターとして地形に刻まれるからです。
人類にまつわる、彗星や流星群、隕石の歴史の話。古代の人間になったつもりで、望遠鏡も使わず、夜空を見上げるのもまた面白いかも知れません。
『138億年の宇宙絶景図鑑』より