アベノミクスが成功
したって本当?【1/3】
株もやらない、低所得階層の生活は苦しくなるばかり
2015年11月16日、日本列島に激震が走った。内閣府が発表した速報値で、今年度7‐9月期のGDPが2期連続マイナス成長であることが判明したからだ。
その後、12月8日に11月発表のこの速報値を上方修正したが、本当だろうか。
安保関連法案を成立させてすぐに、アベノミクスの第2ステージの「新・3本の矢」をぶち上げた安倍首相だが、株価も8月に急落。巷ではアベノミクスの終わりが囁かれている。給料が年々少なくなるのに、なにを考えて政府はインフレにすると騒いでいるのか、低所得階層にはまったく理解ができない。
金融・経済評論家の副島隆彦氏は最新刊『再発する世界連鎖暴落』(祥伝社)の中で次のように書く。
「日本は、どんどん貧乏な国になっている。普通の国民までが貧困化しつつある。多くの中小企業経営者が、廃業(=清算)、破綻、破産しつつある。大きな負債=借金を抱えた者たちは夜逃げするしかない。日本は目下〔もっか〕のビンボー国への転落は、目も当てられないぐらいヒドいものである。
『日本はますます貧乏になっている』と誰も書かない。日本のメディア(テレビ、新聞)は政府に統制されていて、国民を洗脳するための道具に堕〔お〕ちている。だから、真実の報道や政府批判をしなくなった。国民がジリ貧状態に追い詰められているのに、この現状をみんなに気づかせないようにしている。だからこの厳しい現実を、みんなで正直に語り合おうとしない。誰もが「自分は貧乏ではない」と見栄を張っている。互いにみっともない襤褸〔ぼろ〕を隠し合って、必死に取り繕〔つくろ〕っている。貧乏であることで恥を掻〔か〕きたくないのだ。自分がどれぐらい貧乏になってしまっているかを、互いに言い合えば、大きな真実が見えてくるのだ。それをすべきなのだ。……富裕層、金持ち層と呼ばれる人々でも、いや彼らこそ年収が半分とかに激減して苦しんでいるはずなのだ。」(続)