マジック点灯、2度目の先発。5回無失点。でも――
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈27〉
二度の目の先発。言葉、いや仲間に支えられて――
■正田樹投手の後押し
後から聞いた話では、この先発起用には正田(樹)ちゃんの後押しがあったようだ。6日に正田(樹)ちゃんとキャッチボールをしたのだけれど、そのときいい球が来ている、と感じてくれたようで正田ちゃんが、加藤コーチに「きのう、ソウスケさん良かったですよ」と、伝えてくれていたらしかった。
いろいろなことが重なりあって登ることになった二度目の先発マウンド。敵地に乗り込む一戦、対戦相手は高知ファイティングドックス。
チームは、前日に優勝マジック5がついたばかりで、大事な試合だった。やるしかない、そう思いながらも、そんな一戦に僕が先発することでファンの人は「なんでだよ」「大丈夫か」と思われているんじゃないか、そのプレッシャーが相当あった。
一方で妙なめぐり合わせもあった。高知ファイティングドックスの先発が丸山投手――彼は、僕と同じトライアウトで合格し入団した選手で、最初は練習生だったものの後期からその実力を発揮し、好投を続けていた。なにより、トライアウト中もっともよく話した選手だった。
プレッシャー、不安、運命。
いろいろな感情があるなかで試合の火蓋は切って落とされた。
その日、高知は9月9日にちなんで「99円デー」と称し、サワーやビールがすべて99円というイベントの日で、外野席以外のすべての席がうまっているような、異様な雰囲気を放っていた。
初回から僕の球は荒れていた。いきなり2四球を与えピンチを背負った。
なんとか無失点にしのいだものの、2回以降もペースは変わらなかった。スピードも122キロ止まりで変化球もなかなか決まらない。調子がいいとはいえなかった。
ただ、守備陣がすごかった。ライトの白方選手がライト線に飛んだ長打コースの当たりをダイビングキャッチでアウトにしてくれたり、センターの林選手も左中間のヒットをセカンドで刺してくれた。
全員が闘志をむき出しにしてプレーし、盛り立ててくれていた。
ちなみに白方選手はつねづね「ソウスケさんに1勝をプレゼントしたい」と言ってくれる、頼もしい選手だ。この試合もファインプレーに加えて、先制タイムリーを打ってくれるなど、その言葉どおりのプレーを見せてくれて、僕に勇気をくれた。
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