日本のトンネル技術がアジアとヨーローッパを海底で結んだ!
「トルコ150年来の夢」青函トンネルなどで培った確かな実績が2大陸を結ぶ
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トンネルの長さ約13.6㎞、世界一深い海底下60mも走る大プロジェクト
2013年10月、ヨーロッパとアジア両大陸を1本の鉄道で結ぶ海底トンネルが開通し、日本からも安倍首相らが出席して開通式が行われました。
この海底トンネルは、全長76㎞の鉄道整備プロジェクト「マルマライ」の一環として、2004年にトルコと日本の合弁で着工したものです。マルマライというプロジェクト名は、大陸間の内海「マルマラ海」の名に、トルコ語で鉄道を意味する「ライ」を組み合わせたものです。
ボスポラス海峡の海底を走るトンネルの長さは約13.6㎞。一部(約1.4㎞)は沈埋トンネルとなっていて、世界一深い海底下60mに埋められています。沈埋トンネルとは、巨大なコンクリートや鋼板でつくった函体を海底に沈めてつくられるトンネルで、建設したのは日本の大成建設です。
大成建設には、国内の青函トンネルや本州四国連絡橋の神戸・鳴門ルートなどを建設した実績がありました。
しかし、海に沈める沈埋函は幅15m、高さ8.8m、長さは最長で135m、重さ1万8000トンという巨大なもので、これを11個沈めて海水が入らないようにつながなくてはなりません。しかも、トンネルの両端から延びる地下トンネル部分はシールド工法が用いられ、沈埋函の部分とは海中で接合するという難工事でした。
ボスポラス海峡は、深いところで水深60m、潮の流れは速く、流れも海峡の上と下では異なっていました。大成建設は1年がかりでボスポラス海峡海底と気候のデータを収集して分析、海流がもっとも穏やかになる時期に工事を進めました。
「トルコ150年来の夢」といわれたプロジェクトが成功したのも、日本の高い建設技術のおかげ。
島国ニッポンとしては、あっぱれな成果なのです。