ポジション争いのライバルは、最大のお手本
那須大亮さんが見せる姿勢――遠藤航「世界への大航海」
「出られない日々」に感じたこと。いつもと違った1勝を手にして。
■いつもと違った1勝
10月1日のガンバ大阪戦。ファーストステージで0対1の敗北を喫した相手に4対0と勝つことができました。僕が浦和に来る前から因縁の対決だったこともあり、チームやサポーターにとって「いつもの1勝」とは違った意味を持った試合だったように思います。
そしてこの試合は、僕にとっても「いつもの1勝」ではありませんでした。というのも、僕にとって一番自信のある「3バックの真ん中」のポジションで手にした、実に2ヵ月半ぶりの勝利だったからです。
オリンピックのため、レッズを離れたのが7月19日。その直前の試合、大宮アルディージャとの「さいたまダービー」は2対2の引き分けでした。ここから僕はオリンピック代表の「ボランチ」として出場し続けることになります。
ブラジルから帰国後、すぐに行なわれたリーグ戦2試合は途中出場、先発出場をしましたが、いずれも「スリーバックの右」での出場で、しかも敗戦を喫していました。
そしてここから僕は、ポジション云々をいう前に、出場すらできない日々が続くことになります。
8月末と9月の頭にあったルヴァンカップは、日本代表に選出されていたため不出場。代表でも試合に出られませんでした。代表から戻ると、2試合連続でベンチから試合を眺めました。
前回も書いたとおり、リオデジャネイロ・オリンピックは僕に現実の壁を突きつけ、焦りの気持ちをかき立てていました。それを払拭するために、少しでもプレーをして、自信を取り戻したい、そう思っていたところに、試合にすら出られない日々がやってきたわけです。自分のサッカー人生を振り返ってみても、「出られない経験」はありませんでした。
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