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「スマホ歩き」ではない、最もお金のかからない健康法「ながら歩き」を習慣に

『医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣』発売記念コラム4

■歩くことに慣れたら、「ながら歩き」を習慣にしよう

「90歳まで元気で長生き」を達成しようと思ったら、認知症予防が欠かせません。長生きしてもボケたくないという人は多いでしょう。

 そこでおすすめしたいのが、歩きながら頭を使うということです。ただ歩くだけでも、メタボ予防やロコモ予防になり、メタボもロコモも認知症になりやすくなるため、間接的に認知症予防になります。ただ、さらに認知症予防効果を高めたいと思ったら、歩きながら脳内アクションをひとつ加えることがおすすめです。

 具体的には、歩きながら川柳を読む、歩きながら鼻歌を歌う、歩きながら計算する……など。私は「ながら歩き」と呼んでいます。でもくれぐれも「スマホ歩き」とはしっかり区別してくださいね。

 ながら歩きの認知症予防効果を最初に発表したのは、日本の研究者たちです。その内容は次のようなものでした。

 アミロイドβの沈着が認められ、認知症が始まりかかっている「認知症予備軍」(正式には軽度認知障害と言います)の人たちを集めて、毎日1時間、
50から3ずつ引いていく計算をしながら歩いてもらったところ、1年後には脳内にたまりかかっていたアミロイドβが消えていた──。

 この研究で行われたのは「引き算をしながら歩く」ということでしたが、ポイントは頭を使いながら歩くこと。歩くという軽いエクササイズと頭のアクササイズを同時に行うということです。頭のエクササイズは、計算ではなくても構いません。むしろ、自分が楽しいと感じることがいいと思います。

 川柳を考えるのが好きな人は視界に入ったものを題材に川柳を詠みながら歩き、カラオケが好きな人は好きな歌を歌いながら歩き、計算が好きな人は通りかかった車のナンバーを足したり引いたりしながら歩いてはどうでしょうか?

 歩きながら作った川柳を覚えたり、歩きながら歌う歌の歌詞を覚えたりすることで、さらによい頭の体操になります。ながら歩きで、頭も体も若く保ちましょう!

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長尾 和宏

ながお かずひろ

1958年、香川県生まれ。医師、医学博士。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。84年、東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。95年、兵庫県尼崎市で開業、2006年より在宅療養支援診療所となり、外来診療と24時間体制での在宅診療を続ける。日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本禁煙学会専門医、日本在宅医学会専門医、日本内科学会認定医、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授。近著に『病気の9割は歩くだけで治る! 』『認知症は歩くだけで良くなる』(ともに山と渓谷社)、『がんは人生を二度生きられる』『その医者のかかり方は損です』(ともに青春出版社)、『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)など多数。


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  • 2016.10.20