ドラフト「隠し球」はここにいる! 独立リーガーがもっとも緊張する日
お笑い芸人・杉浦双亮の挑戦記〈31〉
ドラフトの日。選手たちはこの日のために戦ってきた――
■冗談ではなく、もっとも緊張する日
今、とてもドキドキしている。
こんなに緊張することは人生でもあまりない。初めての舞台か、『細かすぎて伝わらない』に出させてもらったときか、愛媛マンダリンパイレーツに来て初先発のときか……。それに匹敵するくらい、落ち着かない。
今日、10月20日はNPBのドラフトの日。
運命の指名が始まるのは17時なのに、すでに携帯電話が手放せない。携帯が震えるとすぐに反応してしまうのだ。
今シーズン、愛媛マンダリンパイレーツでプレーをさせてもらい、9試合に登板させてもらった。13回と2/3を投げ、被安打12、奪三振1、与四死球14、自責点3、防御率は1.98。
先発としても2試合に投げさせてもらい、いずれも勝ち星こそつかなかったけれど無失点でマウンドを降りることができた。初めての先発の試合にはたくさんのスカウトも来ていた……。
緊張しているのは他でもない、チームメイトたちからの吉報を待っているからだ。もちろん、僕を指名してくれる球団があるのであれば、とてもうれしいけれど(笑)。
愛媛マンダリンパイレーツで1シーズンプレーをしてきて、彼らがどれだけの決意を持って、この地に来ているのかを肌で感じた。見たり、聞いたりするだけでは分からない、本当に一緒にグラウンドで汗を流し、戦ったことで感じ取ることができたその思いは、皆さんが想像している以上に熱く、強い。
そもそも、独立リーグでプレーをする、ということ自体がその思いの表れである。覚悟がなければ、ここでやり続けることはできない。
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