“パ高セ低”の理由は「DH制度」にあり。山本昌からの提言
今シーズンもパ・リーグの日本一で終わったプロ野球。なぜ、パは強いのか。
Q.パ・リーグから次々とスターが生まれている気がします。なぜですか?
実際にパ・リーグのほうが強いですからね。2005年から始まったセパ交流戦では、セ・リーグは一度(2009年)しか勝ち越しをしていませんし、日本一だって過去10年間を見ても7回がパ・リーグのチームです。結果からも、やはりパ・リーグのほうが力はあるんでしょう。
この質問の回答を挙げるとすれば、複合的な要素が絡んでくるので「これだ」とひとつに絞るのは難しい。ただ、私が思う答えをふたつ挙げさせていただくとすれば、第一にドラフトでパ・リーグのチームのほうがいい選手を抽選で引き当てていますよね。
思い出せるだけでも、楽天は田中将大投手や松井裕樹投手と、当時の高校ナンバーワン投手を引き当てましたし、日本ハムにしても中田翔選手を引き当て、単独指名ですがダルビッシュ有選手を獲得したり、メジャーリーグ挑戦を表明していた大谷翔平選手を指名して口説き落としたり。ソフトバンクも去年は高橋純平投手、今年も創価大学の田中正義投手と高校、大学ナンバーワン投手を引き当てました。パ・リーグのチームは、優れた選手を獲得して確実に育て上げているところも強みだとは思います。
ドラフトは運も絡んできますから、これだけがすべてではないと思います。そこで、別の観点から見て感じるのは、「DH制度」の有無はセパの力関係を左右する大きな要素なのではないか、ということ。これがふたつめです。
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