「ブーイング」に対して選手はなにを感じているのか。その是非を問う――岩政大樹・現役目線 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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「ブーイング」に対して選手はなにを感じているのか。その是非を問う――岩政大樹・現役目線

「現役目線」――サッカー選手、岩政大樹が書き下ろす、サッカーの常識への挑戦

■サポーターから尋ねられた「ブーイングした方がいいですか?」

 鹿島アントラーズとファジアーノ岡山。僕はふたつのJリーグクラブに所属しました。実はこのふたつのクラブに似た点を感じてクラブを選んだところもあるのですが、当然ながら違う点もあります。そのひとつがサポーターのあり方でしょう。

 

 鹿島アントラーズのサポーターは燃えるように熱く、チームがふがいない戦いを見せたときには容赦ないブーイングが飛びます。
 一方、ファジアーノ岡山のサポーターは包み込むように温かく、基本的にはどんな時も選手にブーイングを向けることはありません。

 これは大きな違いとしてファジアーノのサポーターの皆さんも認識していて、「選手のために自分たちはどうあるべきですか? ときにはブーイングをすることも必要でしょうか?」という質問をたまに受けるので、選手の目線からどのようにサポーターの皆さんを感じているか、お話したいと思います。

 まず、絶対的な事実として、僕たち選手はサポーターの皆さんと一緒に戦っています。綺麗事でもなんでもなく、僕たちの歩みはサポーターの皆さんと共にあります。
 応援する側とされる側といった、あちら側とこちら側という関係というより、僕たちは同じ側にいて、時には背中を押されたり、横で「もっと前へ!」と煽られながら、共にシーズンというレースを走っています。この感覚は僕だけでなく、ほとんどの選手が持っているはずです。少なくとも、長くプレーしている選手たちはみんなそう思っているはずです。僕たち選手はサポーターの皆さんと生き、生かされているということをキャリアを通して知っていくからです。

 さて、ブーイングをすべきか否かという問いです。ブーイングをすることもある鹿島サポーターとブーイングをしない岡山サポーター。どちらが選手のためか。

 
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岩政 大樹

いわまさ だいき

東京ユナイテッドFC

サッカー選手

1982年1月30日生まれ、35歳。187cm/85kg。ポジションはセンターバック。

山口県出身。周東FC、大島JSCを経て岩国高校サッカー部でプレー。東京学芸大学在学中に注目を集め、2004年鹿島アントラーズに加入。

2007年~2009年鹿島アントラーズのJリーグ3連覇に貢献。自身も3年連続Jリーグベストイレブンに選出される。

2013年鹿島アントラーズを退団。2014年にはタイプレミアリーグのテロサーサナでプレー、翌年ファジアーノ岡山に加入。

強さとクレバーさを兼ね備えたプレーでディフェンスラインのリーダーとして活躍する。2017年シーズンより関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに加入(コーチ兼任)。東京大学サッカー部コーチも兼任。

2016年シーズン終了現在で、J1通算290試合出場35得点、J2通算82試合で10得点。日本代表国際Aマッチ8試合出場。

2017年9月初の著書『PITCH LEVEL 例えば攻撃がうまくいかないとき改善する方法』を上梓。


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