究極のエリートを育てた母が、子どもに「お母さま」と呼ばせたワケ
受験もその先も。一生使える力になる、「究極の育て方」④
長男が東大とイェール現役ダブル合格、次男が難関国立大学医学部合格。その母・小成富貴子さんの教育方針は「どこに出しても恥ずかしくない」「真の国際人といえる」子どもを育てること。その一つとして、“きれいな日本語”を使い、子どもたちに伝えていきました。その子育て術を初公開した著書、『究極の育て方』より紹介します。
●グローバル社会。でも自分の国の言葉を大事にしてこそ
私はきれいな日本語を話すよう心がけていました。
少し言葉が丁寧すぎると主人には反対されたりもしましたが、この点は曲げることなく貫き通しました。
日本の子どもたちは自分の母親のことを「ママ」または「お母さん」と呼ぶことが多いと思います。一方わが家の子どもたちは私のことを「お母さま」と呼びます。
子どもを授かったときに、お腹の中の赤ちゃんに話しかけるため、呼び名を決めようと主人と相談しました。私は自分の母を「お母さま」と呼んでおり、その響きがとても気に入っていました。「お母さま」という言葉を使うと、それに続く言葉も自然に丁寧になります。
そこで自分の家庭でも「『お父さま』、『お母さま』にしない?」と提案しました。
主人は驚いて、「それならいっそのこと『父上殿』、『母上殿』にしては?」と言いましたが、最終的には私の意見が通りました。
「お母さま」という名称を使っていたのは、周りではわが家だけでしたので、息子のお友達もみな私のことを「お母さま」と呼んでいました。北海道は雪が深く丈夫で大きい車に乗っていたこともあり、それはいつしか「お母さまのバス」と呼ばれるようになりました。子どもたちは、そういう固有名詞の人なんだと思っていたようです。
思春期の頃は「お母さま」と呼んでいることに気恥ずかしさを感じたこともあったようで、お友達が来ると「お母さん」と呼ばれたこともありました。でも今ではもう抵抗がなくなったようです。