比べない、立場を作らない。「灘⇒東大理3」の母・佐藤ママが、子どもへの接し方で大事にしたこと
Q4 子どもとのコミュニケーションで気をつけていたのはどんなことですか?
「なんで“ママ”の言うことを聞けないの!」はNG
先ほどお話した「比べない」ということ。そして「立場からモノを言わない」ことです。
「なんで“ママ”の言うことを聞けないの!」「“ママ”がこう言っているんだから当たり前じゃない!」という言い方は絶対しませんでした。権威を振りかざして言われたら腹が立ちますよね? そうではなくて、ある事象があれば、私と子ども、あくまで1対1の人間同士の関係性で「私はこう思うけどあなたはどう思うの?」というやり取りをしていたんです。
親という立場もそうですし、年上・年下という立場でモノを言うこともよくないと思います。よく「“先に生まれた者”の話だから聞きなさい」と言われることがありますよね。これも不愉快なだけです。その人は確かに先に生まれているかもしれないけど、時代が違うし今のことを知らなかったりする。人間って80歳の人から学ぶこともありますけど5歳の子から学ぶこともあるんですから。
わが家の子どもたちにも、兄弟間で立場を作らせないようにしました。
ですので「お兄ちゃん」呼びや、逆に弟への呼び捨ては一切無し。全員下の名前で呼び合うことにさせていました。
また、チョコレートケーキなどを取り分けるときも「お兄ちゃんだから大きめ」といったことは無しにしていました。実際、一番の上の子(長男)と下の子(長女)は7つ歳が離れていて身体の大きさも、食べられる量も全然違う。でもまず必ずはじめは4等分に取り分ける。その後、下の子が食べ切れない分は他の3人にじゃんけんをさせて分けさせていました。平等に扱うことを徹底しました。
そしてこの「徹底」とは一つでも例外を作ってはダメです。さきほどの食べ物の例でも気を抜いて1回でも「もうお兄ちゃんなんだからいいか」とやるともう信頼がなくなってしまう。そして失った信頼を取り戻すにはとても時間がかかってしまいます。何事も「0か100か」だと私は思っています。