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江川卓、松井秀喜…怪物の対戦相手が明かす知られざる物語

Numberが選んだ甲子園の怪物たち-3

元祖怪物 江川卓

Number甲子園ベストセレクションⅠ 9人の怪物を巡る物語』(文藝春秋)には、相手チームやライバルたちをも輝かせる9人の「怪物を生む怪物」が登場する。視点は、おもに対戦相手など「第三者から見た怪物」。そのなかから、前回は桑田真澄、清原和博のKKコンビを巡るエピソードを紹介した。

 しかし、甲子園の怪物を語るなら、やはり元祖怪物に触れないわけにはいかない。松坂大輔が「平成の怪物」なら、「昭和の怪物」と呼ばれたのが江川卓だ。

 思えば、傑出した力を持つ高校球児を怪物と呼ぶようになったのは江川からだった。当時の対戦相手たちは、この昭和の怪物をどのように攻略しようとしたのか。さらに、松井秀喜の連続5敬遠をめぐる知られざる真実とは──?

 江川が甲子園で登板したのは、春4試合、夏2試合の計6試合しかない。しかも、KKコンビや松坂大輔、斎藤佑樹のように優勝したことがなければ、決勝戦にも進んでおらず、夏にいたっては2回戦で敗退している。
 それでも、多くの甲子園ファンの記憶のなかで今も生き続け、甲子園を沸かせた怪物について語られるときには必ず江川の名前が出てくるのだ。

「江川さんが甲子園に出場したのは、生まれる1年前のことなので、私自身はリアルタイムで見たことがないんです。でも、『ホームプレートに向かって投げた球が失速せずに浮き上がる』『打者がファウルしただけで観客席が大きくどよめいた』といったマンガのような伝説は知っていて、すごいなと思っていました。ただ、『Number』にも江川さんの記事はそれほど多くないんですよ」

 と語るのは『9人の怪物を巡る物語』の担当編集者である高木麻仁さん。
 そのなかから同書に収録されたのが、1973年春の作新学院と柳川商の一戦を中心に、江川自身の口から語られる「甲子園は幻のように」。そして、1973年春の2回戦で対戦した北陽高校をはじめ、江川と戦った男たちの視点を通じて江川の怪物ぶりを描いた「怪物・江川に挑んだ男たち」の2編だ。
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