一寸先に進もうとするより、ぐっと後ろに下がりじっくり大局を見る
定本「老子道徳経」の読み方 早島天來編より 人生を最高に生きる老子の言葉 第二十八回
第五部 第六十九章
敢えて寸を進めずして尺を退(しりぞ)く
敢えて寸を進めずして尺を退(しりぞ)く
★老子に学ぶ本当の豊かさ
猛暑や嵐に仕事や日常が翻弄され、体力を消耗した夏も過ぎ、いつの間にか暖かいコートとマフラーが必需品の季節になりました。温暖化加速が叫ばれる現代にあって、冬の凜とした寒さがまた巡って来てくれたことに少しほっとし、また身が引き締まる思いがします。
天地自然は人間社会の喧噪などものともせずに、粛々と時は過ぎて季節は移り変わってゆきます。私達は、人間社会だけにとらわれた毎日から時には顔をあげ、天地自然にじっくりと学ぶ時間をもつことが、とても大切になっているのではないでしょうか。
今月も皆様とともに、古代中国に生まれた人類の叡智『老子』より、無為自然に明るく楽しく豊かに生きる知恵を、学んでまいりましょう。
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