貴重な機動部隊を囮に米軍の戦力を分散させる
レイテ沖海戦と栗田健男中将 第4回
日本軍の作戦は大胆かつ大規模なものだった。最大の特徴は敵機動部隊をひきつける囮部隊とアメリカ軍の上陸地点に突入する部隊とに分けたことにある。囮の役を担うのは小沢治三郎中将率いる機動部隊(空母4、戦艦2など17隻)。といっても艦上機は数十機。まともに戦える戦力はなかった。部隊は20日、瀬戸内海の佐田岬沖を出撃した。敵の上陸地点に突入するのは第1遊撃部隊(戦艦7、重巡11隻など39隻)。栗田がこれを指揮することになった。
栗田艦隊は10月22日午前8時、給油地のブルネイを出撃した。同艦隊の第3部隊(西村祥治中将・逆上陸部隊)と第2遊撃部隊(志摩清英中将、重巡2など7隻)はレイテ島の南にあるミンダナオ島方面からの突入をめざした。