「腹が立つ理由、感動した理由を考える」古沢良太が行う脚本執筆のためのインプット
古沢良太さん4月毎日更新 Q29.脚本を書くための「インプット」では何をしていますか?
――脚本を執筆する仕事は「アウトプット」にあたると思いますが、そのための「インプット」の作業として意識的に行っていることはありますか。映画やドラマを見る、本を読むなど、いろいろあると思いますが……。
特別に「インプット」と意識して作品を見ている……ということはないですね。でも、何をしていてもインプットになると思いますよ。たとえば僕は、自分の心の動きをなるべく意識して考えるようにしています。腹が立ったときは「何で腹が立ったんだろう」と考えるし、感動したときは「自分は今、何に対して感動しているんだろう」と考え、理解しようとします。そうやって考えたことは、脚本にも生かすことができます。
――映画を見たり本を読んだりしなくても、そうやって考えることで色々なインプットができるわけですね。
そうですね。あと腹が立った理由とかを考えていくと、怒りも鎮まって怒らなくなるんですよね。たとえば子供と接していると、ときどき怒鳴っちゃうこともあるんですけど、冷静になって考えると大体は僕の側に問題があって。「自分が何か急いでいた」とか、「忙しい中で手をわずらわされてイラッとした」とか、子どもの問題じゃないんです。あと、そうやって子供に怒ってしまう原因を考えてみて、「相手が子供で、自分に絶対服従する相手だと思うから怒るんだろうな」とも気づきました。一人の人間だと思えば簡単には怒鳴れないです。
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当代随一の脚本家・古沢良太が描き出す
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