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がんに認知症…まじめすぎる人は、健康でもソンをする!

「ストレス」が招く病気とその発散方法

気づけばもう年末。さらにスケジュールも詰め込まれ、ストレスがマックスな方もいるのでは?多くの患者を見る町医者であり、ベストセラー本の著者である長尾和宏先生の『医者通いせずに90歳まで元気で生きる人の7つの習慣』より、若い人も参考になる、ストレスの怖さや出来るだけ溜めない方法を伝授します。

■がんも認知症も「ストレス」から

 

 じつは、がんや認知症にはストレスが大いに関係しています。まずはがんから説明しましょう。

 がんは、遺伝子の病気です。全身の細胞は絶えず細胞分裂を繰り返していますが、細胞の遺伝子に傷がついていると分裂時にコピーミスを起こしてしまいます。

 でも、それはどんな人の体でも日常茶飯事に起こっていることで、一度のコピーミスでがんになるわけではありません。私たちの体には遺伝子の傷を修復する働きも、異常な細胞を排除する免疫システムも備わっています。

 健康な人の体内でも、毎日5000個もの小さながん細胞が生まれては消えているという説もあるほどです。ところが、遺伝子の傷がいくつか重なり、コピーミスが繰り返されると、がん細胞が免疫システムをすり抜けてしまうことがあります。そしてすり抜けたがん細胞が時間をかけてゆっくりと成長し、検査で認識できる〝がん病変〟になるのです。

 というわけで、がんは遺伝子に傷がつくことから始まるのですが、この「遺伝子の傷」にストレスが大きく関係しています。

 遺伝子が傷つく原因は、たばこや紫外線、 化学物質、排気ガスなどさまざまありますが、ストレスによって体内で活性酸素が増えることも大きな要因なのです。つまりは、おおもとに強いストレスがかかわっているということ。

 実際、ストレスの多い生活を送ってきた結果、がんになった人をたくさん診てきました。みなさんの周りにも「ああ、そういえば」と思い当たる人がいるのではないでしょうか。

 また、ストレスは免疫力も左右します。体内で生まれたがん細胞を攻撃してくれる 「T細胞」や「NK(ナチュラルキラー)細胞」といった免疫細胞の数は、ストレス の状態で変わります。ストレスがあると数が減り、ストレスがなくなると数が増える のです。そういう意味でも、ストレスとがんは大いに関係します。

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長尾 和宏

ながお かずひろ

1958年、香川県生まれ。医師、医学博士。医療法人社団裕和会理事長、長尾クリニック院長。84年、東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。95年、兵庫県尼崎市で開業、2006年より在宅療養支援診療所となり、外来診療と24時間体制での在宅診療を続ける。日本尊厳死協会副理事長、日本慢性期医療協会理事、日本ホスピス在宅ケア研究会理事、日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本禁煙学会専門医、日本在宅医学会専門医、日本内科学会認定医、関西国際大学客員教授、東京医科大学客員教授。近著に『病気の9割は歩くだけで治る! 』『認知症は歩くだけで良くなる』(ともに山と渓谷社)、『がんは人生を二度生きられる』『その医者のかかり方は損です』(ともに青春出版社)、『「平穏死」10の条件』(ブックマン社)など多数。


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  • 2016.10.20