片桐仁が考える「コント」と「演劇」の違い
片桐仁さん30日毎日連載 Q9.「コント」と「演劇」の境界線を教えてください
芸人、そして俳優としても活躍中の片桐仁さんに、芸人として立つ舞台、俳優として立つ舞台の違いを聞いてみました。
誰に向かってセリフを届けるか
これ、よく聞かれるんですよ~! 基本的に「舞台で役を演じる」という意味では同じだと思います。僕はコメディー系の演劇に出ることが多いので、そこの違いはよく分からないんですけど、最近思うのが「コント」は客席に向けてやることが多くて、演劇は役者同士でやり取りをすることが多いという違いがある気がします。
これはコントの目的が「より多くのお役さんに笑ってもらう」ということなので、セリフを言うときに、立ち位置や顔の角度を変えたりして、なるべく多くのお客さんに顔が見えるようにします。でも演劇でそれを追求しすぎると、役よりも本人が出てきてしまうので、そのお芝居を壊してしまう場合もあるんです。
だから演出家さんによっては、「客席に向かってセリフを言わないで欲しい」と言う方もいます。それによって笑いの絶対量は減ってしまうかもしれないけど、集中して観てくれているお客さんの意識は、こっち側に入ってきてくれるはずだ、という考え方です。逆にコントの場合は、役から本人のエキスがはみ出さないと爆笑に繋がらなかったりするので、「芸人が何人か出る演劇」とかの場合は、演出家はその塩梅が難しいと言ってました。
まあ偉そうなこと言ってますけど、ウケたいはウケたいので、“ビーフな台詞”は正面向いて言っちゃったりしますけどね…。
明日の第十回の質問は「Q10.芸人になるために必要だと思う条件は?」です。
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