あおむろひろゆきのてくてく子育て日記〈第10話〉「肯定してほしかった」
子育てのアドバイスは、してもらうほどにどこか苦しい
子どもと外出すると、なかなか大変な思いをする時もあります。一度動物園に行った時に、行きの電車でみるみるうちに機嫌が悪くなり、しまいにウワーン!と泣きながら大暴れして、その弾みでカバンの中の荷物が全部電車の中にぶちまけられてしまったことがありました。
何もできずに呆然としていると、ひとり、またひとり……と車内にいた人たちが荷物を拾ってくれたり、子どもをあやしてくれたりして、最後は子どもも笑顔で駅に到着。おかげさまで、楽しい動物園デーとなりました。
その時は、もちろん色々と助けていただいた事が嬉しかったんだけど、電車を降りる時に隣の席にいたおばあさんが「大丈夫、この子は幸せになるわ」と声をかけてくださったのが、何よりも嬉しかったことをよく覚えています。
ちょうどその時期、電車に乗る度に退屈して泣いてしまう子どもを連れて出かける事に対して、「子どもがかわいそう」と言われたことがあります。その言葉は私の胸にズシッと刺さりました。私は、お出かけした時の事を思い出しながらとても楽しそうに話をする子どもの姿を見ているので、自分のやっていることは間違っていないと思いたかった。でも、やっぱり間違ってるのかな……なんて思ったり。そんな中かけられた言葉だったので、余計に嬉しかったのかもしれません。
子育てにあれこれ悩んでいると、たくさんのアドバイスをいただきます。「~すべき」「こうしたほうが良い」個人的にはこういったアドバイスは全くといっていいほど心に響かず、むしろ私を苦しめるだけでした。
私はただ、私を肯定してほしかった。今となっては、はっきりと分かります。
この連載は隔週金曜日の更新です。第11話は、2週間後の7月22日(金)に更新予定です。次回もお楽しみに!