セクシー女優や男優・監督が「AV新法改正」を訴え国会前デモ 「このままではAVがなくなる!」
◾️AV新法によって生じた業界への影響とは?
今回業界関係者が改正を訴えるAV出演被害防止・救済法(AV新法)とは、政府広報オンラインによると「騙されてAVに出演した女性を救済する」という目的の元、無条件で出演契約をなかったことにできる法律だ。主なポイントは以下の通り。
・アダルトビデオ出演契約はアダルトビデオごとに締結しなければならず、契約締結時には契約書等を交付し、契約内容について説明する義務があること
・すべての書面の交付を受けた日から1か月は撮影してはいけないこと、撮影時には出演者の安全を確保すること、契約で合意した行為であっても、嫌な行為は断ることができること、公表前に事前に撮影された映像を確認できること、全ての撮影を終了した日から4か月は公表してはいけないこと
・撮影時にアダルトビデオへの出演に同意していても、公表から1年間(法の施行後2年間は「2年間」)は、性別・年齢を問わず、無条件に契約を解除できる
・出演契約に基づくことなくアダルトビデオの制作公表がされた場合や、出演契約の取消・解除をした場合は、公表の停止・予防及びこれに必要な行為を請求することができる
これらが条文に記載されている。しかしAVメーカーで制作されているアダルトビデオは、AV新法成立前から出演者に事前に許可を取り、お互いに合意を得てから撮影をしてきた。引退したセクシー女優が動画の破棄を求めてきた際は削除をして対応してきたという。
新法が制定されてからも、AVメーカーは同法を遵守し、アダルトビデオの制作を続けている。撮影する前には多くの契約書を用意し、女優と男優はすべての書類に目を通してからサインをする。
撮影日に体調不良になると、代わりの女優や男優を呼ぶことはできない。新たに1ヶ月後に撮影日を決めて、多くの書面を用意しなくてはいけない。出演者はまた書面を全部読んだ上で、サインをしなければ参加ができない。再度撮影となるとスタジオのキャンセル料など多額の費用が発生してしまう。そのため女優も男優も現場スタッフも1ヶ月間、健康管理をして撮影日に穴をあけないようにしている。
撮影終了後も4ヶ月は宣伝することもできない。現在、発売予約期間を含めれば事実上最短でも6ヶ月の時間を要するようになっている。新法施行以前は撮影から販売まで3ヶ月だったことを見ると明らかに時間的なロスが大きいのは明らかだ。
そのためAVメーカーは販売収益が下がってしまい、制作本数は施行前より約2割の減少。現場が減るため中堅女優は仕事が激減し、中には個人撮影のAVに出演したり、売春に手を染めたりする女性もいるという。理由は個人撮影AVの場合、出演料を先払いしているからだという。メーカーAVは撮影後に支払うことが多い。しかもAV新法によって販売できるまで時間がかかるためお金回りも悪くなっている。そうなると女優へギャラを支払うのも遅れたり、アップできなかったりしてしまう。そうした負のサイクルによって業界が先細りをしてしまう。
さらに新人女優との契約も、出演者による権利行使により公表停止されてしまうリスクがあるため控えるようになってしまった。人気のあるセクシー女優も、制作前の契約書の確認で事務作業が大幅に増えてしまい、しかも出演本数が減ってしまったという。
つまりAV新法はメーカーAV関係者すべてに悪影響を与えたと言っていいだろう。