あおむろひろゆきのてくてく子育て日記〈第14話〉「かみを切る」
広げた新聞紙の上でうずくまる子ども、その手に握られていたのは……!?
蝉がけたたましく鳴く中悲鳴をあげながら洗濯物を干していると、子どもがやってきました。「おとうちゃん」一度目の呼びかけには、洗濯物を睨みながら「なあに」と返事をします。「ねえ、おとうちゃん」もう一度呼びかけられたので子どもの方に目をやると、新聞紙とキティちゃんのハサミを持って真剣な顔をしています。「どうしたの?」と聞くと、「ハサミで、かみ切っていい?」と言いました。
最近ハサミを上手に使うようになって、工作に興味津々。「手を切らないように気を付けてね」と返事をして、子どもがうれしそうに部屋にタタタと走って戻る様子を見届けて、再び洗濯物と格闘します。
10分後、汗だくになりながら部屋に戻ると、広げた新聞紙の上で子どもがうずくまっています 。その異様な光景に混乱し、最初は言葉が出ませんでした。何これ?具合悪いのかな?それとも、カタツムリの真似をしているのかしら?保育所でそんな事やってたっけ?そう思いながらよく見ると、右手にしっかりとハサミを握っていて、そのハサミが子どもの頭の辺りでザクザクと何かを切っています。その切っているものが髪の毛だと知った瞬間、思わず叫んでしまいました。
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