話題の「体幹トレーニング」ってどんなもの? そもそも痩せるの?
ダイエット検証企画:体幹トレーニング編、前編
ということで「人気ダイエットを徹底検証」と題し「グルテンフリー」に続いて取り上げるのがこの「体幹トレーニング」だ。前編となる今回は、体幹トレーニングについて紹介する。
体幹トレーニングは体の芯をつくる
そもそも「体幹トレーニング」とはどんなものなのか。
いち早く取り組んできたのがサッカー選手、現在はイタリア・セリエAインテルに所属する長友佑都氏だ。「無名で、就職活動をしたくらい」と話す明治大学在籍時、サッカー部だった長友氏は重度の腰椎分離症に悩まされていた。「プレーすらできない」日々に焦り、大量に書籍を買い込んで腰痛に効くといわれるものはなんでも試した。それでも改善が見られず、藁をもすがる思いで取り組んだのがこの「体幹トレーニング」だったという。その後の目覚ましい活躍は、自他共に認めるところだろう。
今回はその長友佑都氏が記し累計85万部を突破したベストセラー『長友佑都 体幹トレーニング20』『長友佑都 チューブ×体幹トレーニング』より、体幹トレーニングについて解説していきたい。
体幹とは、一般的には胴体部分を指すが、このトレーニングおいては主に胴体の深層部にある筋肉を指し、鍛えることを目的とする。それまでトレーニングの主流といえば、腕立て伏せや腹筋、ウエイトトレーニングなどの器具を使ったものだった。共通するのは「アウターマッスル」と呼ばれる大きな筋肉を鍛えるところだ。
「体幹トレーニングは、一般的なウエイトトレーニングなどで鍛えられるアウターマッスルではなく、インナーマッスルを鍛えることができます」(『長友佑都 体幹トレーニング20』)
インナーマッスルとは体の奥にある筋肉の総称と考えてもらえるといい。大胸筋や大腿四頭筋といった自分の意志で動かすことができ、大きなパワーを発揮する筋肉がアウターマッスルで、インナーマッスルはそれよりも体の奥にある筋肉(たとえば腹横筋など)である。
ここを鍛えることで「芯が強くなり、質の高い筋肉を手に入れることができるのです。この『質の高い”芯“』を手に入れるということは、体のベースを作ることにほかなりません。このベースを手に入れることができれば、あとは目的に応じてその上に積み上げていく――僕はこれを『体幹のベースに飾っていく』作業と言っています――だけ。僕でいえば『体幹』というベースに『蹴る』『トラップする』という技術を飾っていきました。その向上スピードは、サッカー人生でもっとも速かったといえます」(同上)。
つまり、ふだんの生活やトレーニングではなかなか意識し、鍛えることのできない筋力を鍛えることでベースを作り、目指す目的(長友氏でいえばサッカーの技術における筋力)を達成する速度を速められる、というのである。
今回の企画の目的である「ダイエット」への効果はどうか。
「インナーマッスルを中心とした質の高いトレーニングなので、体の芯から痩せられます。そしてリバウンドしづらい肉体に変身することができます」「目的がダイエットであれば、ベースとなるのはリバウンドしない体です。体幹トレーニングをするだけでも骨盤が立ち、腹圧が高まるので、お腹は凹みますが、何よりも質の高い筋肉を手に入れることができています。例えば、そこに『腹筋を割りたい』という目的が加われば、そのための方法(例えば腹筋、ウォーキングなど)で飾っていくだけ。ただ腹筋などをするより速いスピードで効果が出ます」(同上)
どうやら効果が期待できそうである。
後編ではダイエットをする際の具体的なトレーニングについて紹介したい。
【後編:ダイエットに効く「体幹トレーニング」長友佑都の答え】
【1週間毎日体幹トレ! 体重80kg、体脂肪30%弱の編集部員はどう変わった……!?】